上川外相は5月19日、静岡県知事選挙の応援演説での「うまずして何が女性か」との発言について、

 

  「女性パワーで未来を変えるという私の真意と違う形で受け止められる可能性がある」として撤回した。

 

 上川氏は衆院静岡1区選出だ。

 5月26日の県知事選投開票を前に、2週連続で静岡県入りした。

5月9日告示、26日投開票の知事選には新人4氏が出馬表明し、構図がほぼ固まった。異例ずくめの超短期決戦に臨む各陣営の動きを探った。

 

  川勝平太知事の辞意表明から2日後の4月4日、前浜松市長の鈴木康友氏(66歳)は市内の料亭で県西部経済界の重鎮と会談していた。相手は鈴木氏を長年支援してきたスズキの鈴木修相談役(94歳)とハマキョウレックスの大須賀正孝会長(83歳)〔えらいお年寄りですなあ〕。地元経済界は自民党と一緒に担げる知事候補を模索していた。

 

  衆院議員2期5年、市長4期16年で培った実績と高い知名度を誇る鈴木氏。3年前の前回選で自民県連は、独自候補の“本命”として当時市長だった鈴木氏の擁立を画策したが、実現しなかった経緯がある。

  昨年4月末の市長退任後も知事選挑戦のうわさが絶えなかったが、鈴木氏は年齢を理由に後ろ向きな発言を繰り返していた。

  だが、機会は思わぬ形で巡ってきた。与野党とも乗れる「オール静岡」であれば―。会談の数日後、西部経済人の後ろ盾を得た鈴木氏は、この時点で出馬意思をほぼ固めたとみられる。

  鈴木氏を衆院議員時代から支援してきた連合静岡と、立憲民主、国民民主の両党県連、県議会会派ふじのくに県民クラブの4者は、自民に先んじて鈴木氏の推薦、支援を決めた。「こちらの方針に自民が乗れたら『オール静岡』が完成する」。連合幹部はそんな青写真を描いた。

 

こうした情勢・状況のなか、上川外相は5月18日に静岡市の集会で行った県知事選の応援演説の中で、自民党推薦候補の当選に向け 

 

   「一歩を踏み出したこの方を、私たち女性がうまずして何が女性でしょうか」

 

と述べた。

 

   上川外相は、この発言について5月19日に静岡市内で記者団に対し、「女性のパワーで私という衆院議員をうみ、誕生させた皆さんに、今一度、女性パワーを発揮してもらい知事を誕生させようという意味で言った」と釈明した。

   その上で、「女性パワーで未来を変えるという私の真意と違う形で受け止められる可能性があるとの指摘を真摯に受け止め、この度、撤回をしたいと思う」と述べた。

  これは、足をすくわれた感じだろうか。

 

  上川氏本人は、ふりかえってみて「まずい表現だ!」と気がついたのか、あるいは、反論をすると水掛け論になるから折れたのか?その辺は不明だが、この文脈、「女性」のちからで「知事」を「産む」=「産まない」のは「女性ではない」ともとれる。――根底に、女性を「産む」性ととらえ、「産まない女性」への非難のような口吻も感じ取れる。

 

   やはり、このあたりは、上川氏も、根は自民党衆議院議員(保守思想の持主)であったということだろう。

 

 上川氏は、自身の過去の選挙演説で「うみの苦しみにあるけれども、ぜひうんでください」と支持を訴えた経緯にも言及。

「うみの苦しみは本当にすごい。でもうまれてくる未来の静岡県、今の静岡県を考えると、私たちは手を緩めてはいけない」 と語った。・・・あまり言い訳しないほうがいいかも。

 

 なお、川勝知事は、いろいろ不適切発言があったが、静岡県民にとってなにもいいことがないリニアを認めでこなかった点だけは、頑固者として評価できよう。

 しかし、鈴木氏でも元官僚の大村氏でも、リニアはOK、静岡よりも日本国(富士は日本一の山、静岡だけの山じゃない。むかしは、新高山が日本一の山だった)が大事なんでしょう。きっと。

 

 最後に一句を。

           衣更えて「をとこもすなる」お産かな   ひうち