元裁判官で弁護士の、西 愛礼(にし・よしゆき)さんの『冤罪学――冤罪に学ぶ原因と再発防止』(日本評論社、2023年刊)という本が出た。

 

 ネットで見かけて内容をチェックはしたが、まだ買っていない。

 この本、どうすれば「冤罪(えんざい)」を防ぐことができるのか、弁護士の西愛礼(よしゆき)さん【32歳】が、過去に冤罪となったケースを分析し、原因と再発防止を学ぶ取組みをふまえ、冤罪を客観的、体系的に学ぶための書籍として、まとめたものらしい。

 

 西さんは、「冤罪は最大の不条理だ。持っていたものを失う一方で、何もしていないのに疑いを晴らすためには、とてもエネルギーがいる」と冤罪防止の重要性を訴える。

 検察と弁護側(被告)、裁判官の対立構造だけでなく、捜査機関と弁護側、裁判所が協力し合える部分があるとする点も指摘しているそうで、冤罪事件裁判を「悪と正義の非和解構造」ではなく、法曹三者が「冤罪を学び、冤罪から学ぶ」道を模索するものだと言えようか。

 

 ただ、司法警察=検察組織の「過剰な正義(無謬)空間(空気感)」=「訂正する力の集団的喪失」という組織心理のほぐし方(あるいは第三者チェック)も必要ではないかと、思えてならない。

 

  そこで一句。

           仮釈もされずにひとり鳥雲に  ひうち