まだ早春なんですが、「ガガンボ」のことが気になっています。
「蛙(かわず)」だって、春の季語ですから(あまり関係ないが)。
ガガンボは「弱い虫」の代表のような存在かも・・・
「ガガンボみたい」といえば、華奢で、無力で、貧相なこと・・・
吉本新喜劇で言えば、 Mr.オクレ+池乃めだか+間寛平≑4 のような・・・
蚊を大型にしたような姿をしていて、その細長い脚が特徴的ですよね。
見た目、フラフラしてますしね。
怖く見えたり、弱そうだったり、これという人気もないけれど、記憶にはしっかり残っている虫だとも思うのです。
そんなガガンボはどんな昆虫(たんに虫?)なのでしょうか?
ガガンボは、ハエ目科亜目ガガンボ科に分類される昆虫全般を指す呼び名で、体長は7~35ミリ程度、世界中の様々な地域に生息しているとのこと。
主に春から秋にかけて繁殖し、一度に300個もの卵を産み、孵化した幼虫は地中で植物を食べて成長し、春にサナギとなり、成虫になると地中から出てくるらしい。
それから約10日ほどで寿命を迎えるという。
姿は蚊に近いのですが、蚊のように血を吸うのではなく、花の蜜を主食としていて、史上最弱の昆虫と言われ、体はちょっと触っただけでバラバラになってしまう。
これはトカゲの尻尾切りのような現象ではないかと考えられているそうです。
しかし、トカゲと違い、足が新しく生えることはないそうです。―― そうか、いやぁ、かなり残念ないきものなんだ!
こんなガガンボは、俳句でもよく詠まれています。
http://www.haisi.com/saijiki/gaganbo1.htm
「ががんぼ」、俳句の季語で「夏・三夏」です。
では、俳句をいくつか・・・
障子打つががんぼにさへ旅心 高浜虚子 (1874-1959)
ががんぼの脚の一つが悲しけれ 高浜虚子
ががんぼ過ぎすぐに蟻来るひげふりて 加藤楸邨
ががんぼのタップダンスの足折れて 京極杞陽
ががんぼの脚あまた持ち地をふまず 長谷川双魚
ががんぼの一肢かんがへ壁叩く 矢島渚男
私も一句。
生きるとはやがて哀しくてががんぼ ひうち