宗教行政を所管する盛山正仁(もりやま・まさひと)文部科学相が2021年の衆院選に際し、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の関連団体から推薦状を受け、「政策協定」といえる文書に署名していた。衆院予算委員会で事実上、認めた。


 政府は旧統一教会をめぐり、高額献金被害の訴えが相次いでいるとして、もっか東京地裁に解散命令を請求している。責任者が教団と接点があるとなれば、被害者の疑念は膨らみ、当然、対応の公正さにも疑問が生じる。重責を担う資格が問われても仕方がないといえよう。


 盛山氏は衆院選の公示前、教団の関連団体「世界平和連合」が神戸市で開いた会合に出席。その場で憲法改正のほか、LGBTや同性婚合法化への慎重な対応など教団側が掲げる政策への賛同を求めた推薦確認書に署名し、推薦状を受け取ったという。実際に選挙支援も受けたとされる。
 当初は「覚えていない」としていたが、予算委で「写真があるのであれば推薦状を受け取ったのではないか」などと報道を事実と認めた。どこか人ごとのような対応には、多くの被害者や「宗教2世」らが関わる問題の重要性をどこまで理解しているのか、疑わざるを得ない。
 政府は昨年10月、旧統一教会の解散命令を東京地裁に請求した。盛山氏はその判断を下した責任者である。今月下旬には地裁が教団側と文科省側の双方から意見を聴く審問が初めて予定され、これから係争が本格化する。
 被害者救済でも責任は重い。解散命令前の財産監視を強める被害者救済法の運用でも文科相には慎重で厳格な対応が求められる。
 たとえ言い分通り、教団との接点を失念していたとしても、なぜ就任時に確認もしなかったのか。政治家としての見識に疑問符が付こう。岸田文雄首相は盛山氏の更迭を否定したが、このままでは被害者らの信頼を得られるはずがない。岸田首相の任命責任も問われる。
 盛山氏の責任はもちろん、安倍晋三元首相の銃撃事件以降、教団との関係に厳しい目を向けられながら、真相解明をなおざりにしてきた自民党の姿勢がこうした事態を招いたともいえる。


 自民党は22年、所属議員180人に教団との接点があったと発表したが、調査は各議員の自己申告をまとめただけの極めて不十分な内容だった。教団との関係が政策に影響していなかったか、安倍元首相らの調査は実施されないままだ。
 その後も山際大志郎経済再生担当相(当時)や岸田首相らに新たな接点が次々判明。盛山氏も関係団体の会合出席は認めていたものの、選挙支援や「政策協定」は認めていなかった。
 自民党は政治資金パーティー裏金事件でも議員へのアンケートを実施しているが、身内の調査では公平性を担保できないことは明らかだ。不祥事のたび、お手盛りの対応でお茶を濁す体質を改める必要がある。

なお、盛山正仁氏は、元運輸官僚で、旧岸田派所属だったという。

 

ちなみに、2022年7月から8月にかけて、共同通信は、全国会議員712人を対象に、旧統一教会との関わりを尋ねるアンケートを実施。同年8月31日に各議員の回答の全文を公表した。盛山氏は、献金、選挙活動への支援、集会への出席や祝電などの有無について問う質問に対し、すべて「ない」と答えた。

 

同年10月20日、朝日新聞のスクープにより、教団の関連団体の「世界平和連合」と「平和大使協議会」が2021年の衆院選と2022年の参院選の際、自民党議員に対し「推薦確認書」を提示し、署名を求めていたことが明らかとされた。推薦確認書は下記の5つの項目から成り、事実上の「政策協定」であった、という。

 

⓵「憲法を改正し、安全保障体制を強化すること」
②「家庭教育支援法と青少年健全育成基本法の国会での制定に取り組むこと」
➂「同性婚合法化などに関しては慎重に扱うこと」
④「『日韓トンネル』の実現を推進すること」
⑤「国内外の共産主義勢力などの攻勢を阻止すること」

 

同年11月、朝日新聞社は全国会議員を対象に推薦確認書のやり取りをたずねるアンケートを実施した。当該アンケートにより、斎藤洋明大串正樹山田賢司深澤陽一の4人が推薦確認書に証明したことを認めた。

盛山氏はここでも文書の提示や署名を否定した。

 

2024年2月6日、朝日新聞朝刊が、衆院選公示2日前の2021年10月17日、「世界平和連合」が神戸市で主催した「盛山正仁衆議院議員国政報告会」に盛山が出席し、前述の推薦確認書に署名していたと報じた。盛山が推薦状を手にした写真も掲載された。

 

また、選挙期間中、世界平和連合幹部の支持を受けた信者10~20人が電話帳の一覧をもとに、毎朝8時から20時まで盛山の事務所名で有権者に電話で投票を呼びかけていたことも報道により明らかとなった。

信者たちは、個人の携帯電話の契約を「かけ放題」に自腹で変更し、一人あたり1日数百件の電話をかけたとされる。

 

報道翌日の2月7日に行われた衆議院予算委員会で、立憲民主党西村智奈美が事実関係をただすと、盛山は署名したことを事実と認めた。西村は盛山が文部科学大臣であることを取り上げ、「利害関係者の大臣が旧統一教会の解散命令請求の政府側責任者だとは、どこの世界の笑い話か」と、盛山の更迭を要求した。

 

岸田首相は、盛山が旧岸田派ということもあってか、

「現在は当該団体との関係を一切有していない」などとして、更迭する考えがないことを示した。

 

接触の程度は違うが、同じく旧岸田派ナンバー2の林官房長官も、旧統一教会との接触があったことを認めた。

旧岸田派の上川外相は、大丈夫でしょうね。―― これは、麻生さんに訊いてみるべきかな?

 

  そこで一句。

            ニン月のンのあたりに裏口が  ひうち