🌸 あめんぼ あまいな  【2023年初夏40句】

 

 

たどりつくまでは漂う五月病

 

漂えば海月無心にたどりつく

 

燕子花ぺろり舌だす明日だす

 

夏兆すまれびとあふる夷川

 

室町に呉服屋あふる麦の秋

 

五月雨て男女接触事故現場

 

白薔薇の蕾のままに接木して

 

思春期の思わぬ屈折夏立ちぬ

 

寝坊してナマズの沼に蝌蚪の国

 

十五歳逆接屈折して立夏

 

★★

 

引っ越しの荷物わちゃわちゃ五月来る

 

屈託も屈折もあり夏立ちぬ

 

わが足を五月のそとにはみ出して
 

わが街の空気を読んで燕来る

 

緑さす写真のきみだに忘るるや

 

魔がさして顔さして深サングラス

 

青嵐吹いて夢洲大富豪

 

梅雨冷えや夢洲カジノでバカラバカ

 

息をひそめ女の沼に燕子花

 

蔭ながらおとこも唄う茶摘みうた

 

★★★

 

ほうたるこい洲のバカラはAm(アーマイナー)

 

※Am=イ短調 C=ハ長調

 

夏つばめ速球左右にスウィーパー

 

窓と窓開けてぞ今朝の梅雨晴間

 

もめごとはもめごとのまま梅雨に入る

 

罌粟の花ひらく極楽しばらくの

 

梅雨の窓開く鬱期の底の窓

 

しのび泣きもらさずもらす梅雨は来ぬ

 

石楠花の現場荒して規制線

 

托鉢と念仏かわす山法師

 

ジャンケンとあとに引けない沖に夏至

 

★★★★

 

くちはなのとぐろ巻き巻き窓に窓

 

ほうたるこい何の因果で壇ノ浦

 

あかんぼのあめんばあまいなあかさたな

 

罌粟の花ひらく極楽すぎたころ

 

龍頭巻く午前と午後の石竜子にも

 

愛国の思いも老いもサクランボ

 

鞍馬より水のつたわる豆ごはん

 

花栗の息苦しき夜をいかに寝る

 

逸初の舌唇に細い指

 

いちめんの奢莪(シャガ)を濡らして雨のなか