杉田菜穂は、俳人の顔と同時に、社会経済学者としての顔ももつ。
1980年奈良に生まれ、母親が俳句をやっていたらしい。
俳句の師は、「運河」主宰の茨木和生氏だ。
彼女も俳句結社「運河」に寄っている。
現在は、大阪市立大学経済学部准教授である。
経済学者としての知名度は、同じ学部の准教授・斎藤幸平氏(経済理論:「資本論」論)や若森みどり氏(経済思想:ポランニー研究)ほどではないが、伝統ある大阪市大経済学部(→近々「大阪公立大学」となるが)を引き継ぐべき研究者であろことはまちがいない。
また、社会経済学ないし社会政策学の師は、玉井金五(大阪市立大学名誉教授)氏であり、おもに「日本における「人口と優生・優境」の社会政策史」に関心があるようだ。また、関連する著作も多い。
が参考になる。
かといって、俳句は余技でもなさそうだ。またさらには、歌人(「塔」所属)としても活躍しているらしい ―― 多彩な才人だ。
詳しくは、下記のHPを見ていただければ、俳句作品も載っているので、彼女のことがコンパクトにわかる。
https://sites.google.com/site/sugitanaho/home
俳句については、手慣れていて、うまくつくるが、これといった「えぐみ」・「ひっかかり」がないように思う。
それは、社会経済史(社会政策史)、人口論の著作にも言えるような気がする。
思うに、いまを生きるということは、「承認欲求」(「他者承認欲求」と「自己承認欲求」)のアンビバレントな世界(他者の眼差しを内面化した自我の世界)を漂うことに近い。
この世代に共通なのだが、ウェルテルあるいはムルソーのような「根源的でかつ深い悩み」が希薄なのかもしれない。
そこで一句 ★ 黒南風や運河に夜がまたしみる ひうち