🌸 薔薇の罠 【俳句200句】 2020/05~06
000
濡れガッパみだれみだれ外科内科
結界に蝦蟇千匹のディスタンス
内心を改竄されてナメクジリ
栗の花咲いてスタバの締まる日々
蛞蝓を改竄改築ないしょないしょ
内々に運んだ事に栗の花
内定のどこかに消えてカタツムリ
はつなつのPCRの偽妖精
内面はきれいな女子と若葉寒
雨の日も晴れの日も五月
001
つばくらめ新地のママと十三へ
コロナ着てセカイノオワリPCR
海市立つ三人消えた三十万
花は葉にマスクは肺にデスマスク
ジューンドロップ必要急用核兵器
酢漿草よこの世にさく花ちりあくた
校門を閉じた附属小花水木
青嵐くる日もくる日もコロナの世
花は葉に時空理科室ケン・ソゴル
校門を閉めて占めてる花水木
002
葉桜のころにこころがころりころ
墨田川屋形船でまいろうぞ余花
青葉風河馬十頭内一頭分のディスタンス
青葉風ヌー十頭分のディスタンス
若葉風牛十頭分のディスタンス
葉桜や祇園のママとディスタンス
VIVREカナート非常に非情ディスタンス
対岸は彼岸の此岸青葉木菟
ここはもう絶対安全五月闇
ウイルスはむかしビールス麦酒浴ぶ
003
聖水を五月の空に唇に
INOBUNの窓に五月のガラスペン
はつなつの蔦屋書店の迷宮へ
タンポポのンポと撥ねて花王冠
まぼろしの初夏にもやえる舟びとよ
スカーフに紺のブルキニ海の家
麦藁の消えて久しき薄暑光
化蝶帰蝶ダリの髭からダンディズム
スタバ駄目コメダも駄目だぞカタツムリ
004
スタバ抜けコメダに向かうカタツムリ
丸善の書店丸ごと麦の秋
御報参上丸万書店雲母虫
京進と馬渕の通り若葉寒
五月晴れコロナは天から地上から
風薫るコロナの森の偽妖精 (風邪なおる頃汝の盛り偽陽性)
緑雨してローソンまでの初音ミク
チヲバラニアクノジュウジカタカシマヤ
逆光のコロナウイルス夏兆す
シャイなんだ UberEats に青葉木菟
005
UberEats Over Shootだ青葉木菟
#STAY HONE ALONE WITH 閑古鳥(KANKO DORI
血に薔薇を悪の十字架高島屋
薔薇マーク悪の十字架高島屋
薔薇まいた薔薇のマークを高島屋
バラまいて薔薇のマークに高島屋
サージカルマスクをとるな薔薇になる 1
薔薇十万咲いてデパート薔薇マーク
薔薇色の人生こぼれる薔薇マスク
006
赤いバラ投げて白バラ牛乳屋
今夜ふと薔薇になるかもしれません
薔薇ふる夜銀座のママと軽井沢
今夜ならわたくし薔薇になってます
ディスタンスとればとるほど薔薇の罠
はつなつの白馬に乗って消えたひと
生き死にの距離をとらないナメクジリ
水着まで蛞蝓一匹分の距離
愛と死の距離は短しカタツムリ
青葉風花冠妖精までの距離
007
緑の夜祇園のママとディスタンス
菖蒲湯を飲みすぎちゃって優良児
柏餅みっつ食べれば白木屋横
更衣してタンスとダンスのディスタンス
衣魚走る箪笥と担保のディスタンス
国債を格付けせずに羽抜鶏
縮まらぬきみとの距離を青田波
クワァンクーと啼いて干される閑古鳥
今夜ならわたくし薔薇になってます
正夢は青い夏野に白骨体
008
ひとはみなへらこいマスク青大将
裏口で青大将が絡みつく
青に青うつるんですよ聖五月
出口なき古代湖青し五月尽
性格は精確無比の青葉木菟
光冠降る青水無月の水辺まで
毛虫降る欅坂から日向坂
緑雨浴び青少年は保護条例
短夜のコロナの核の格納庫
格さんも助さんも居て呼子鳥
009
非常口入口にして青時雨れ
アンドレもカンドレも籠って呼子鳥
おじさまとマークⅡに乗りサマーフェス
入口は出口のはじめ茅の輪越し
青じそ赤じそ摘んでは出口王仁三郎
入口に出口のヒント天道虫
新しき生活様式梅雨に入る
ジューンドロップ新人世を新しく
青水無月出口戦略中扉
入口が出口だったぜカタツムリ
010
オンラインキャバクラ遊びをナメクジり
テレワークできない毛虫は焼いてまえ
海の夏重い躰を抱え込む
梅雨明けてリーダー出口を間違える
小手毬のかぼそい肩を愛されて
木漏れ日を浴びて天蓋小手毬に
聖五月天蓋になる森の音
青嵐閉じれぬ蓋から洩れる咳
「天空の城」の調べのミナミカゼ
011
鰓呼吸閉じた蓋まで青時雨
小手毬の帯解くひとのアセクシュアル
身も蓋もなくなるまえに梅雨に入る
赤い栓赤くない蓋夕薄暑
メメクラゲ不良の楽器だエレキなぞ
父の日をウクレレ片手にyoutuber
梅雨晴れ間バンドネオンをもう一回
コスプレはヤバい鬼滅の五月闇
バイオリン舌先で弾く青蜥蜴
父の日をウクレレ片手にユーチューバー
012
六月の古代湖どんどん大太鼓
おはなはん大正琴弾く山桜桃梅
梅雨晴れ間ピアノフォルテを軽やかに
チェンバロの楽譜揺らして青葉騒
青時雨れピアノフォルテを軽やかに
チェンバロの楽譜濡らして青時雨れ
初夏の耳目注目更え覆面(マスク)
初夏と書いてウイカは芸能人
光冠降臨出入口なし初夏(はつなつ)の
初夏(はつなつ)の光冠降臨出入口
013
二の腕を出しあい見合って初夏の部屋
初夏(はつなつ)の病いも死ねば治るんだ
ふなびとの初夏は集わぬまま散在
ゴダアァルよ勝手に逝くな青時雨
白南風のエンドロールを堂島で
あとずさりエンドロールがエンドレス
ででむしにいまだ見えないエピローグ
青葉濃しダカーポ付きのエピローグ
烏賊喰ってちんたらぽんたらしてんじゃねえ
五月蠅ぞエンドロールに巻取紙
014
六月のロバのパン屋だちんたらぽん
青葉濃しはしがきもくじエピローグ
紙魚走るはしがき目次エピローグ
かたつむりエンドロールにエンドレス
六月の自転車空に置いたまま
花は葉に近江の空へ水の色
空室のホテルで契るナメクジリ
空白のページ舐め舐めナメクジリ
天空の城をひらいてミナミカゼ
空席のシートあおあお青水無月
015
「あつ森」に空巣を探す瑠璃蜥蜴
空梅雨の夜空の向こう終列車
カラカラの空梅雨ガラガラ喫茶店
空梅雨の空っぽガラガラ咽喉がなる
空っぽのガラガラガラガラ蛇がくる
空梅雨のパドックストックパラドクス
空き部屋に空き巣いっぱい青林檎
少年の半分少女青時雨れ
青水無月を少年半分弱少女
少年と少女を分かつナメクジリ
016
こぶとりのわたしのスマホ梅雨まみれ
ぐちゃぐちゃのスマホを捨てる五月闇
黒南風のなかに捨てちゃえスマートフォン
北摂のダーリアダリヤとみるスマホ
金蠅銀蠅まわるまわるよスマートフォン
北鮮製格安スマホ走り梅雨
ロナルドのスマホを借りて蜘蛛の糸
ラクラクのスマホと言われ梅雨に入る
空白のページ舐め舐めナメクジリ
017
空席のシートあおあお青水無月
空梅雨の夜空の向こう終列車
毛虫出る粒ぞろいですがなにか
瑠璃蜥蜴粒ぞろいですがなにか
ナメクジ這う粒度分布のグラフにも
雹粒に混じって怪魚怪男児
豆粒になるまで手を振る青田道
屋根裏を乱歩と散歩青蜥蜴
火取虫女王Sと歌舞伎町
青梅雨を銀座のママと離れ傘
018
東京の夜は明易虹の橋
計画を立てるばかりの夏休み
黒南風の男女黙して白マスク
蜜月を遠隔キスして鱧おとし
録音録画黙秘し続け梅雨明ける
七日目の蝉をだまして蜜の味
戻り梅雨ひとの不幸は蜜の味
蜜壺の電気ウナギと濃密に
新しい企画をたてて夏木立
黙秘権黙殺しました百日紅
019
無計画春から続く夏休み
向日葵の余熱を冷まして水彩画
無計画大人計画海螢
ヘラクレスオオカブト黙って蜜を吸う
八月の陰画(ネガ)を巻きとる地下シェルター
黒犬を黙って殺すアロハシャツ(サングラス)
夏休みうんこドリルを朝飯に
たとえれば金魚を蜜のあわれとす
高槻のボルサリーノと鰻喰う
新しい波の来ぬまま土用波