テレサ・テンの「つぐない」の歌詞をめぐる架空の物語 

という大袈裟なタイトルを掲げてしまったが、まえのブログで書き足らなかったことを、架空(想像)の物語形式で、書いてみようと思う。

 

テレサ・テンは、「空港」などがヒットしたあと、東アジアで音楽活動を展開していた。そのおり、偽造パスポート問題が起こり、一時、ニューヨークなどに隠れていたという。そこで、香港映画のスター、ジャッキー・チェンと知り合い、一時は恋愛関係になっていたともいわれた。

 

この「つぐない」は、そうしたテレサの身に起きた出来事を背景に書かれたのではないか、というのが私の仮説である。

「つぐない」は、偽造パスポート事件の償いでもあり、ニューヨークでの仮の甘い生活を断ち切った「償い」とも読める節がある。

 

・・・・・・

 寺田麗美(本名:陳麗春 34歳)は、わけあって、(台湾人という)素性をかくして、ホステスをしながら東京・阿佐ヶ谷のアパートに暮らしている。

木村竜也(本名:李龍剣 22歳)は、在日朝鮮人であるが、わけあっていまはそれをかくしている。

ふたりは、竜也が新宿歌舞伎町で喧嘩をしてけがをしていたところ、出逢った。

麗美は、竜也の介抱をして、その夜、自分のアパートに泊めた。

竜也は、帰るヤサはあったのだが、いましばらくはそこに帰るのは、喧嘩のこともあって危険かも知れないと考えていた。

 

そうして、ふたりの半同棲生活が始まった。

お互いに、素性を明かさず、寺田麗美=麗美、木村竜也=竜也、で名のり、呼び合っていた。

 

1年ほど経って、麗美は、このまま、自分の素性を明かさず、「うそのまま」で身をひこうと思い立つのだった。

それが、竜也のためだと・・・

 

   ―ーー そこに。「つぐない」の曲がせつなくかぶさるように流れてくる 

 

 

   つぐない   〔償還:中国語タイトル〕    (1984年1月) 

 

     テレサ・テン(鄧麗君)・歌  荒木とよひさ・作詞、三木たかし・作曲、川口真・編曲

  

窓に西日が あたる部屋は  いつもあなたの 匂いがするわ

ひとり暮らせば 想い出すから  壁の傷も残したまま 置いてゆくわ

 

※愛をつぐなえば 別れになるけど  こんな女でも 忘れないでね

やさしすぎたの あなた  子どもみたいな あなた

明日は他人同志に なるけれど

 

心残りは あなたのこと  少しタバコも 控え目にして

過去にしばられ 暮らすことより  わたしより 可愛いひと 探すことよ

 

愛をつぐなえば 重荷になるから  この街を離れ 暮らしてみるわ 

お酒飲むのも ひとり  夢を見るのも ひとり

明日は他人同志に なるけれど

 

※愛をつぐなえば 別れになるけど  こんな女でも 忘れないでね

やさしすぎたの あなた  子どもみたいな あなた

明日は他人同志に なるけれど

 

・・・・・・・・・・・