「パラダイス文書」公開以降、タックスヘイヴンという言葉をよく聞くようになった。
タックスヘイブン(租税回避―地)は、はたして、脱税なのか節税なのかといえば、「脱税である」と青山学院大学の三木学長は言う。
タックスヘイヴンのスキーム作成は、ロンドンの大手会計事務所と弁護士事務所が作っている、と言われている。――会計事務所には、元税務当局関係者がいるという。
蛇の道は蛇、抜け道は泥棒よりも警察官が知っている、ということか。
最近、このスキームの作成者が、裏話本を出して、翻訳されてと聞いた。まだ、確認できていないが、おもしろそうだ。
ところで、そもそも、タックスヘイヴン対策税制とは、タックスヘイヴンを利用した課税繰り延べに対抗するための税制である。CFC (Controlled Foreign Company) 税制と呼ばれることもある。
居住者または親会社が、国外のタックスヘイヴンにペーパーカンパニーという形で(子)会社を設け、これに各種権利の使用料などを支払ったりすることにより、居住国又は親会社所在国での課税所得を圧縮することが可能となる。
これに対応するため、タックスヘイヴンに留保された利益について、居住者または親会社に配当がされたものとみなして、これを居住者または親会社の総収入金額に算入する制度が、「タックスヘイヴン対策税制」である。つまり、本国に本社を設ける企業が、海外の低税率国で実体のない子会社の所得を計上している場合、本国にその所得を合算して課税対象にすることになる。この合算課税の制度により、不当な節税策に対する牽制機能を働かせようとしている。
タックスヘイヴンに該当するかどうかの判定については、かつてはブラックリスト方式あるいはホワイトリスト方式が採用されていたが、現在は、実効税率などの形式要件に管理支配地基準など、実質判定を加味して判定するのが主流となっているという。
経済協力開発機構(OECD)と20カ国・地域(G20)に加盟する、合わせて40カ国余りが、タックスヘイヴンを使った企業の過度な節税策を防ぐ税制を全面導入する見通しだ。日米英などが採用している課税の仕組みを、インドやオランダなどの10カ国以上が導入する方針だという。
グローバル化には、グローバルな抜け道がたくさんある。税以外にも。
それが、見えてくると、ナショナリズムが排外主義的に台頭してくるかもしれない。
世界共生とは、厄介な問題だ。
【ひうちくん】