高濱 虚子(たかはま きょし、1874年〈明治7年〉2月22日 - 1959年〈昭和34年〉4月8日)は、明治・大正・昭和の三代にわたる俳人である。

俳誌『ホトトギス』の理念となる「客観写生」「花鳥諷詠」を提唱したことでも知られる。--と、一般的には言われている。

しかし、近現代俳句史を少し調べると、金子兜太にならって、いうと「虚子はビジネスマン。俳句をもって虚子の家系家元の磁場とした」と言える。

お茶、お花と変らない。しかし、ホトトギスをして「正しい俳句」と言わせる権力性は、どくからくるのか。浅学ながら、少し考えてみた。

 

虚子は、プロパガンダが得意だ、という指摘は当たっている。

「客観写生」「花鳥諷詠」も、かき分けてみると、なにもない、キャッチコピーのようだ。このことは、長谷川櫂も指摘している。

思うに、一種の「信仰」に似た構造である。ご本尊が、虚子、念仏が、「客観写生」、「花鳥諷詠」、というものである。俳句に対する表現形式や口語化など、を妨げていると思う。

通常、客観的には写生はできない。少々の主観(内面の反映)が入らなければ景を切り取れない。平安貴族じゃあるまいし、花鳥諷詠ばかりでは、思考が停止する。家元制よりも、新宗教に近い。

4Sとか4Tなどの言葉も、どこが発信源か調べてみようと思う。この選は、明らかにおかしい。

 

ホトトギスのHPより、『ホトトギス』の「ご挨拶」を引用しよう。

かなり、不遜=上からである。

「俳誌『ホトトギス』は創刊が明治30(1897)年で、百年以上休む事なく刊行され続けられてきた月刊誌です。正岡子規、高濱虚子等によって培われてきた【正しい俳句「花鳥諷詠」――正岡子規がそう言ったとは思えない】を、この類を見ない伝統ある小誌で学んでみませんか。真の俳句とは、ベテラン、初心者を問わず、【四季を愛でる日本人の心】があればどなたでも素晴らしい作品を生み出す事が出来るのです。この機会に是非御購読をお待ち申し上げております。」--と。

 

子規の没後、五七五調に囚われない新傾向俳句を唱えた碧梧桐に対して、

虚子は1913年(大正2年)の俳壇復帰の理由として、俳句は伝統的な五七五調で詠まれるべきであると唱えた。また、季語を重んじ平明で余韻があるべきだとし、「客観写生」を旨とすることを主張し、「守旧派」として、碧梧桐と激しく対立した。そしてまた、1927年(昭和2年)、俳句こそは「花鳥諷詠」「客観写生」の詩であるという理念を掲げた。

しかしまた反面、碧梧桐が亡くなった翌年の1937年(昭和12年)にはかつての親友であり激論を交わしたライバルの死を悼む句「たとふれば独楽のはぢける如くなり」を詠んでいる――これもパフォーマンスかもしれない。

 小説書きを中断後、俳壇に復帰したのち、虚子つまり「ホトトギス」は大きく勢力を伸ばし、大正、昭和期(特に戦前)は、俳壇=即=ホトトギスであったといえる。虚子は俳壇に君臨する帝王的存在であった。そこには、文学報国会の俳句部長であった力もあっただろう。俳句部長として何をしたのか、調べてみる価値はある。勢力を伸ばした遠因があると思うからである。

 

また、虚子は戦略家であると思う。曾孫まで、家元にできそうだ。その先も。

お茶、お花、歌舞伎、などは、子どもの才能よりも、親が訓練すれば、かなりの力量が後天的につく。しかし、将棋、囲碁、スポーツは、天才から天才は生まれ育たない。

ようするに、俳句、短歌なども、才能ではなく、学習時間と地位的権威がものをいう世界なのである。それでは、つまらない。

 

●虚子代表作--明らかに客観写生ではない句もあるようだ

 

遠山に日の当たりたる枯野かな

春風や闘志抱きて丘に立つ

去年今年貫く棒の如きもの

波音の由井ガ濱より初電車

吾も亦紅なりとひそやかに

 

●高浜虚子の一族

高濱年尾 - 虚子の長男。俳人。「ホトトギス」三代主宰。

池内友次郎 - 虚子の次男。作曲家、音楽教育家、俳人。

星野立子 - 虚子の次女。俳人。「玉藻」初代主宰。

高木晴子 - 虚子の五女。俳人。「晴居」主宰。

上野章子 - 虚子の六女。俳人、随筆家。「春潮」二代目主宰。

稲畑汀子 - 虚子の孫(年尾の次女)。俳人。現「ホトトギス」名誉主宰、日本伝統俳句協会会長。

星野椿 - 虚子の孫(立子の子)。俳人。現「玉藻」名誉主宰。

坊城中子 - 虚子の孫(年尾の長女)。俳人。現「花鳥」名誉主宰。

遠藤郁子 - 虚子の次男・友次郎の元妻。ピアニスト。

星野天知 - 虚子の次女、立子の義父。作家。『女学生』主筆、『文学界』創刊編集人。

新田義美 - 虚子の三女・宵子の夫。男爵、新田岩松家の当主。

上野泰 - 虚子の六女・章子の夫。俳人。「春潮」初代主宰。

坊城としあつ - 虚子の孫・中子の夫。俳人。坊城家。

藤島泰輔 - 虚子の孫・朋子の元夫。小説家、評論家。 

 →メリー喜多川(ジャニーズ事務所)の夫

宇佐美承 - 虚子の孫・公子の夫。ノンフィクション作家。

稲畑廣太郎 - 虚子の曾孫(汀子の子)。俳人。現「ホトトギス」主宰。

星野高士 - 虚子の曾孫(椿の子)。俳人。現「玉藻」主宰。

坊城俊樹 - 虚子の曾孫(中子の子)。俳人。現「花鳥」主宰

 

――なるほど、「即席天皇制的シンジケート」に近いものを感じてしまう。

こうしたものが、俳句をダメにするのでは――もっと、自由な作風と批評視点を許容しなければ、御俳句は「第三文芸」になりかねないと思うのは、私だけだろうか。

 

                                          【ひうちくん】