宅口安平先生が京都大学にいらしたころ、まだ1970年代だと思うが、筑摩の法律学全集から『倒産処理法』を出された。たしか当時東大の新堂幸司先生が『民亊訴訟法』を出されたあとくらいだと思う。
ただし、この筑摩法律学全集は、残念ながら、数巻しか刊行されずに、刊行中止になった。
のちに、既刊のものも絶版ないし、版権を手放すことになった。
新堂先生の本はのちに改訂されて弘文堂から出された。
谷口先生の本は、最終的には悠々社(もと筑摩法学全集の担当:須藤さんが作った出版社)で出すことになった。3~4社から引き合いがあったようだ。(かくいう小生も当時オファーしたが須藤さんとの関係か濃く駄目だった。)
さて、本題だが、この『倒産処理法』は初版を購入したはずなのに書庫にない。間違って処分したのだろうか。
この本は、ますタイトルが「倒産処理法」というところに惹かれた。
たしかはしがきに、「倒産処理とは、プライオリティを決めることである。」という言葉が印象的だった。「プライオリティ」を決めるとは、何か、破産は私的整理が原型、残りかすの債権者平等、など、おやっと思わせる言葉があって、専門でもないのに読み進めることができた。
『口述 民事訴訟法』は、のちに仕事で買ったが、法セミに井上治典先生(故人)の書評が出て、「(アサヒ)スーパードライのような本」と評された(当時スーパードライがヒットしていた)。のちに拝読して、その意味するところがなんとなく分かった。
それほど濃くはない、で、さっぱりしてるが、切れ味がいい、のど越し、あと味がよい、ということか?と。 基本は誉め言葉なのだと思う。
詳しいところとあっさり書いているところの、メリハリがあるような気がする。
両書とも、法改正により、過去のものとなったが、いまでも価値のある本だと思う。
【ひうちくん】