「シュガー・べイヴ」のメンバーとして活躍した時代の大貫妙子は、山下達郎のPOPな陰に隠れて、その存在がわかりにくかった。

解散・独立してから、『グレイ・スカイズ』(坂本龍一プロデュースで)で、アルバムデビューしてから、彼女の音楽は、POPからシャンソンやヨーロッパの民俗音楽風の雰囲気を採り入れ、独自の世界をつり出していった。

また、それだけでなく、ソングライターとして、多くの歌手に楽曲を提供している。

 

彼女の唱法の特徴は、なべて、ささやくように歌うということだろう。

ある種の、癒しをうけるのも、そのせいだろうが、そのメロディー(コード進行など)は、単純ではない。

 

「ピュア・アコーティック」以降、「アンサンブル」を経て「パレット」という、童話的世界へと移行する。

いろいろ試行錯誤しながら、自分のやりたい音楽と他者に受け入れら喜ばれる音楽というはざまで、彼女は、後者に傾いたのであろう。

音楽を生業とするには、他者に受け入れられ、シンパシーを感じてもらえなければ、自己満足に終わり、ビジネス的にも、難しくなる。

 

彼女の音楽は、そのはざまで行き来しつつ次の転回を模索しているのではないだろうか。       【ひうち】