名建築を歩く 石上純也「神奈川工科大学KAIT工房・広場」(神奈川県) | ひつぞうとおサル妻の山旅日記

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名建築シリーズ395

神奈川工科大学KAIT工房・広場

 

往訪日:2025年9月22日

所在地:神奈川県厚木市下荻野1030

見学:12時~15時30分(要事前予約)

駐車場:あり(正門前)

※HPで事前予約(無料)

■設計:石上純也建築設計事務所

■施工:鹿島建設

■竣工:2007年

 

《まるでシュルレアリスム絵画》


2025年二回目の神奈川建築巡礼。三件目はこの日のメインエベント。神奈川工科大学KAIT工房・広場である。設計は石上純也(1974-)。神奈川県生まれで厚木高校出身。つまりモロ地元だった。東京藝大大学院修了後は妹島和世事務所に4年在籍しただけで独立。できる人は違う。プロフェッサーアーキテクトとして活動しつつ、展覧会や執筆活動も旺盛にこなしている。個人的にはアーティストの印象が強い。

 

 

見学は一日18組(1組5名まで)限定。毎週水曜開催で見学は1時間以内だ。映える建築なので人気は高い。12時~15時30分(30分間隔)の中から好きな枠でネット予約する。僕らは12時の枠を押さえた。勿論一番乗りするためである。子供っぽい。遠慮がない。何と言われてもいい。特にこのKAIT広場は夾雑物(人間のことだ。自分もそのひとりなのだが)を一切排除した真っ白な空間に価値がある。

 

(KAIT工房は総ガラス張り。妹島先生の影響か)

 

ということで前菜(槇先生と今井先生)はふたつで我慢して、余裕をもって工科大学に到着。一時間以上もあるのでコンビニでサンドイッチを買って1個10分かけて食べるが、まだ時間があまる。ダメ元で正門前の守衛に事情を話すと中で待っているようにと寛大な処置をうけた。

 

 

KAIT工房を見学。学生のための創作工房だ。未来の発明家の作品が並んでいるがエンジニア気質ではないので今ひとつ興味が持てない。建築と土木は好きなのだが。機械・電気系は全然ダメ。

 

 

とても開放的な空間だ。

 

 

15分前にはスタッフが現れるといっていたが一向に現れる気配がない。待ちきれずに工房出口に座っている女性に「KAIT広場の見学できたんですけど」と告げると名前を訊かれた。

 

「受付やってんじゃん」サル

 

「建築関係ですか」と訊かれたので、それに近い職業だと答えたが「一般の方ですね」とニコリともせずに「一般」の文字にザッと雑な〇を書いたのが印象に残った。

 

「軽くあしらわれたにゃ」サル 笑ぅ~♪

 

あの女性。たしか六角先生のお嬢さんじゃない?

 

「知らんな」サル そりはもうまったく

 

 

構内道路を挟んでKAIT広場へ。

 

 

一番乗りのはずだったが、どういう訳か数名の見学者がウロウロしていた。驚いたことにそのうち数人ほどが外国人(スペイン語圏)。どうして知ってるの。

 

「SNSに決まってるじゃん」サル

 

 

約4,000㎡の方形の空間にすり鉢状の勾配をつけて、その上面にt=12㍉の鋼板を現場溶接で繋いだ屋根を被せていた。管理が大変だな。

 

 

最大約5㍍の高低差がある。そこに四角に刳り貫かれた空間の光が、床に浮かぶ障子紙のように舞っていた。

 

 

もともと工科大の学生の憩いの場、思索の場として計画された。

 

 

それがいまや一大観光地。

 

 

開口部。

 

 

このあたりは高低差があまりない。

 

 

ようやく訪れることができたので感動も一入。

 

 

床面は速乾性アスファルト。

 

 

中央の排水溝から雨水を排水するそうだが、降水量が多いと溢れることがあるという。去年は空梅雨だったので、そんなのんびりした話ができたが、今年は毎週のように線状降水帯が襲ってきたので、溢れた日もあったのではないだろうか。

 

 

やはり、個々は晴れの日に来ないと価値は半減する。

 

 

午後は曇りの予報だったのでそろそろ限界か。

 

 

一時間限定だが、一時間も思索にふけるほどのテーマは我が家にはなかった。せいぜい晩ごはんとか。なに飲むかとか。

 

 

雲ってきたのでこの日はこれで帰宅することにした。どうしても気になったので守衛に「あのスペイン系の人たちは建築関係ですか?」と訊くと「ああ。ただの観光客です。最近増えましたね」ということだった。どこもかしこもインバウントだ。

 

(つづく)

 

ご訪問ありがとうございました。