名建築を歩く 大江匡「東京都豊島合同庁舎」(東京都) | ひつぞうとおサル妻の山旅日記

ひつぞうとおサル妻の山旅日記

ひつぞうです。
おサル妻との山旅を中心に日々の出来事を綴ってみます。

名建築シリーズ313

東京都豊島合同庁舎

 

往訪日:2025年8月3日

所在地:東京都豊島区西池袋1-17-1

開館:8時~17時(土日祝閉館)

アクセス:JR池袋駅西口から2分

■設計:プランテック総合計画事務所(大江匡)

■施工:大成・長谷工・西武・小松原JV

■竣工:1996年

 

《ソリッドながら土と木のニュアンス》

 

2025都内建築巡礼その3は東京芸術劇場の正面に建つ東京都豊島合同庁舎。自治体の合庁でこれだけ攻めた建築は珍しい。初めて見た時は劇場かなにかかと勘違いした。

 

「目立つ建物だにゃ!」サル

 

 

設計は大江匡(1954-2020)。大阪府出身で東京大学建築学科卒。85年にプランテック総合計画事務所を設立した。建築を「作品」と呼ぶことを嫌い「プロジェクト」として設計を進めたことは細見美術館の回で書いたとおり。

 

(防音パネルのようなデザイン)

 

プランテックを旗揚げして10年あまり。一見際立ったブルータリズムの旋律を奏でながら、恵庵(85)、木村記念館又庵(89)、杉寿庵(90)と、モダン草庵の設計で培われた土と木のニュアンスを帯びた躯体が、天空を突きあげていた。

 

 

都市的なデザインと幾何学的導線を取り入れたファンハウス(94)以降、大江つまりプランテックの建築は“面白さ”を増し始める。しかし、飽くまで自らを職人と捉え、クライアントの形にできない“潜在的欲望”を具現化することに徹した。

 

 

ということはこのフォルムは当時の都民が望む姿だったということか。交渉の過程が知りたいところ。

 

 

大江の代名詞ともいえる櫛目引き。内部も拝見したいところだが、役所は週末閉館だ。

 

「外からだけでも見応えあるよ」サル

 

 

少し水垢で汚れているのが残念だった。

 

 

引いてみると二年前に竣工している細見美術館の庇とよく似ていた。プランテックの代名詞ともいえるダイヤ型のブレースが印象的な耐震建築のプランテック本社ビル(通称:竹かごビル)が世に現れるのはこの二年後のことである(その後譲渡されてSANKYO本社ビルになった)。

 

(つづく)

 

ご訪問ありがとうございました。