名建築を歩く「郡山公会堂」(福島県・郡山市) | ひつぞうとおサル妻の山旅日記

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ひつぞうです。
おサル妻との山旅を中心に日々の出来事を綴ってみます。

名建築シリーズ25

郡山市郡山公会堂

℡)024‐934‐1212

 

往訪日:2023年7月30日

所在地:福島県郡山市麗山1‐8‐4

開館時間:9:00~21:00

アクセス:東北道・郡山ICから約15分

駐車場:麗山地区立体駐車場(1時間無料)

※イベントのない日は閉鎖

■設計:矢橋賢吉

■施工:清水組(現清水建設)

■竣工:1924年

■登録有形文化財(2003年指定)

 

《意外に侮れない地方のプチ名建築》

※幾つかの写真をネットより拝借いたしました。

 

ひつぞうです。遥々福島県まで来たので地方の名建築を歩いてみました。訪れたのは郡山公会堂。1924(大正13)年に市制施行を記念して建てられた公会堂で、2002(平成14)年には国の登録有形文化財に指定されました。以下、往訪記です。

 

★ ★ ★

 

JR郡山駅の西方に麗山地区がある。緑豊かな麗山公園を始め、幾つもの公園に取り囲まれ、近傍のNHK郡山放送局の白い建物がアクセントになっている。そんな静かな佇まいの一角に郡山公会堂はある。

 

矢橋賢吉翁

 

設計監修は矢橋賢吉(1869‐1927)。施工は清水組(現在の清水建設)。矢橋は大蔵省営繕官僚。つまり、役人自身が図面を引いていた時代の、近代公共建築のパイオニアのひとりで、辰野金吾等の薫陶を受け、国会議事堂の設計にも携わった。また、矢橋家といえば古くから続く大垣(岐阜県)の大素封家として知られ、戦後のビルモザイク画(大名古屋ビルヂング、中日ビルなど)を手掛けた画家、矢橋六郎は従弟にあたる。

 

(参考資料)

(旧大名古屋ビルヂングのホールを飾った《海》。新ビルの車寄せに移築された。さすがはアートの三菱地所)

 

公共建築、とりわけ県庁舎などを多数手掛けたこともあり、その殆どが建替えられ、矢橋作品の現存数は少ない。その意味でも公会堂は貴重な作例といえる。オランダのハーグ平和宮をモデルにしていると言われるが、実設計は部下だった荻原貞雄が当たっている。

 

★ ★ ★

 

 

公会堂の向かいに中央公民館・勤労青少年ホームが建っているが、この駐車場は関係者以外は停車できない。道路を挟んだ立体駐車場に止めよう。2時間は無料だ。

 

「太っ腹だにゃ」サル

 

 

ここだよ。

 

「めっちゃ綺麗じゃね」サル 昨日できたばかりみたい

 

 

登録有形文化財の指定をうけた二年後の2004年に大規模な外観復元工事が施されたそうだ。それでも20年以上経っている。大切にされているのが理解できるね。ちなみにモデルと言われるオランダのハーグ平和宮はこんなデザインだよ。

 

(参考資料)

ハーグ平和宮(1905年)

 

「確かによく似ているにゃ」サル 塔が寸詰まりだけど

 

典型的なネオ・ルネサンス様式だね。明治から大正にかけての日本の洋風建築はほぼこれだ。ただ、贅沢な物言いかもしれないが、名建築は古色を帯びていないとピンとこない。あまりに綺麗に改修されていて(笑)。

 

 

それでは拝見。

 

 

「ふむふむ」サル どーでもいいけどメッチャ暑い

 

 

アーチと支柱は白御影石だ。

 

 

足許には色違いの石材によるデザインも。

 

 

扉はセセッション風だね。

 

 

側壁のアーチと飾り窓も美しい。

 

 

ということで内部には入れないのであった。

 

(参考資料)

 

実際はこんな感じらしい。

 

 

納得いかないのでお隣の中央公民館に取材してみた。

 

「公会堂の内部は観れないのですかの」サル

 

イベントがない日に限り、事前に申し込めば案内してくれるそうだ。なんだよ。調べておくんだった。

 

「ちょうど何もない日だったのに」サル 間がわる~い

 

いつもの事だよ。

 

 

ちなみにこの中央公民館の設計はNTTファシリティーズ。2015年3月竣工だ。

 

「やっぱりキレイだの」サル

 

 

内壁は公会堂の意匠に合わせてあるんだよ。折角なので展望台に上がってみよう。

 

 

エレベーターホールも凝っているんだよね。ここから天井を見上げると…

 

 

ほら。巻貝みたいでしょ。

 

 

「誰もいないね」サル

 

こう暑いとね(笑)。ほとんどサウナ状態。

 

 

でも眺望は最高!

 

「あのビルなに?」サル💦 汗がとまらん

 

左の鉄塔はNHK郡山放送局だね。その左隣の高いビルがJR郡山駅の辺りだよ。

 

 

なかなかいい眺めだった。春は桜、秋は紅葉で見応えがある。一度は訪ねてみる価値ありだ。この日は土産を買って横浜に戻ることにした。まだまだ落穂拾いの旅はできそうだ。

 

「またくゆ」サル 温泉でお願いすゆ♪

 

(おわり)

 

ご訪問ありがとうございます。