サルヒツの酒飲みライフ♪【第182回】
三千櫻 純米吟醸 彗星55
製造年月:2022年11月
生産者:三千櫻酒造㈱
所在地:北海道上川郡東川町
タイプ:純米吟醸 一回火入れ
原料米:東川町産・彗星100%
精米歩合:55%
アルコール:15度
販売価格:1,727円(税別)
※特約店・大手百貨店販売品
※味覚の表現は飽くまで個人的なものです
ひつぞうです。信州上田の《互》に続いて頂戴したのは北海道の《三千櫻》。創業は明治10(1877)年。146年の歴史ある蔵です。しかし、北海道での醸造が始まったのは2022年11月。かつては岐阜県中津川を代表する蔵でした。日本酒ファンにはよく知られた話ですが、確実に進行する温暖化を考慮して、求めるべき酒米と醸造を維持するために、北海道を第二の活躍の舞台に選んだそうです。以下、テイスティングメモです。
★ ★ ★
《上川大雪》にしてもそうだが、なかなか御目にかかることのできなかった北海道の優良蔵の酒がぼちぼち普通に買えるようになってきた。酒フリークとしては嬉しい限りだ。三千櫻酒造では、北海道が生んだ好適米、彗星、きたしずく、そして稀少性の高い愛山を中心に酒造りを営まれている。
「ほうほう」
今回入手したのは彗星の磨き55%。米本来の旨味を活かした純米吟醸。愉しみだ。
「ふむふむ」
聞いてる?
「そこそこ」 ←絶対聞いてない顔
ちなみに三千櫻酒造は“公設民営型”という珍しい運営方式に公募したそうだ。つまり、土地・建物は行政が用意して、酒造りのノウハウは蔵が持参する。それだけ日本酒が町おこしの手段として見直されるようになったのだろう。
「酒好きには嬉しい話だにゃ」
そのとおり!
注いでみた。ややオパール色掛かった液体がグラスに満ちる。するとメロンのような熟した果実の香りが広がった。
「飲む飲む」 くれくれ!
なんと表現するのが一番相応しいのか。しばし言葉を選んでみる。香りに反して、和三盆を清澄な清水で溶いたような繊細な甘さ。暫くすると、舌の上で深まる複雑な余韻。それらがサラリと通り過ぎる感じだ。
「ストレートに甘露でいいんじゃね?」
これは食中酒としてパワーを発揮しそうだね。
「いろいろ用意したからマリアージュを愉しむだよ」 和洋あるでー♪
ヤリイカの刺身 蛸とアボカドのマリネ 季節野菜の豚ロール
プロの料理人が作る料理もいいが、お気に入りの酒をゆっくり酌み交わすのも捨てがたい。初めての三千櫻は期待以上の洗練された、そして、ちょっぴり複雑な顔も持った酒だった。
「サルの料理は酒の肴だからにゃ」
(おわり)
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