サルヒツの酒飲みライフ♪【第154回】
MIYASAKA 純米吟醸 中取り 山田錦
製造年月:2022年5月
生産者:宮坂醸造㈱
所在地:長野県諏訪市
タイプ:純米吟醸 中取り 槽口手汲み 瓶火入れ
原料米:山田錦100%
使用酵母:7号自社株酵母
精米歩合:55%
アルコール:15度
日本酒度:非公開
酸度:非公開
販売価格:2,200円(税別)
※特約店販売品
※味覚の表現は飽くまで個人的なものです
ひつぞうです。今夜の酒はMIYASAKA。醸す蔵は宮坂醸造。そう。上諏訪地方ではおなじみの真澄の蔵です。真澄と聞いて最初に思いつくのは協会7号酵母。6号(新政)、9号(香露)と並ぶ三大協会酵母ですね。その伝統ある宮坂醸造が、7号自社株のポテンシャルを最大限まで引き出そうと2016年にリリースしたのがMIYASAKAシリーズ。今回は純米吟醸の山田錦を頂きました。以下、テイスティングメモです。
★ ★ ★
初めて上諏訪の街を訪れたのは、名古屋から知人夫婦と四人で訪ねた長野旅行の道すがらだった。殆どの出来事は忘れたが、上諏訪神社の参道前の蕎麦屋によったこと、並んだわりにたいして旨くもなかったこと、そして、宮坂の観光蔵で真澄を試飲したことは今でも覚えている。その頃は(今もたいして成長していないが)酒の良しあしも碌に判らなかった。味が濃いか淡麗か。その程度で好みを判別していた。
その後、誰かと旅をすることも減り、ただ、おサルと二匹、ひたすら山に登ったり、温泉に入ったり、十年以上の長きにわたって信州の隅から隅まで通い詰めた。
なのにMIYASAKAを知らない。
「特約店銘柄なんだにゃ」おサルも判るようになったよ♪
こうして手に入れたからにはジックリ味わわねば。
「おサルも半分以上飲むつもり♪」まつりまつり~♪
なんかおかしくない?
MIYASAKAには希少種“愛山”、長野の代表米“美山錦”、そして、無加圧絞りの限定酒COREなど、魅力的なラインが揃っている。個人的にはCOREを頂戴したかったが簡単には手に入らない。最初は王道の山田錦の中取りで。
想像するに、ふくよかで、繊細かつSilkyな印象ではないだろうか。
「予想屋には向かないって」肝心のベロがそれでしょ
開栓してみた。火入れだし、そもそも7号は香り穏やか…ブワッとは広がらないはずだが…。
これは!
「ツンとくる香りにゃ」
酢酸イソアミルのマジックインキ系だね。
「プチプチとガス感もあるにゃ」
火入れなのに活きた感じがするね。やさしい酸のニュアンスもあって。
(淡いながら)生酛系を思わせる旨みと苦み。
なんか意外に味わいは複雑。なのにスルッと水のように綺麗にキレる。軽いんだよね。
「ヒツの予想と大きく違うにゃー」ま、そんなもんだろーけど(笑)
お酒って奥が深いね…。さ、ご飯食べようっと。これなに?
「練馬大根のバターステーキにゃ」
しっかり味がついて和洋折衷な味だね。
「今夜の酒にぴったりだと思う」良いバターを惜しげもなく使うのがヒケツ
でも肥るね
「これなんかヘルシーだけど」
きりたんぽ鍋ね。かなり味が染みているな。
「三日三晩煮込んだ」
それって要はあまりものじゃないの?
「福が来るよ」どんどん食いたまえ
旨いのは旨いよ♪
定番の真澄とは別カテゴリーのMIYASAKA。繊細かつ味わい深い酒だった。ワインのように飲んでもいい。これでまたひとつ“新たな信州”を知ることができた。他のシリーズを手にするのが待ち遠しい。
「買ってきておくり」おサル間違えて買っちゃうし
そうなのだ。おサルに酒の買い物は頼めない。
(おわり)
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