ぐるめ探訪「くろ松」で群馬ラーメン№1の味を堪能する(群馬県・高崎市) | ひつぞうとおサル妻の山旅日記

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サルヒツのグルメ探訪♪【第168回】

自家製麺 くろ松

℡)027‐388-0309

 

カテゴリ:ラーメン

往訪日:2022年11月26日

所在地:群馬県高崎市柳川町9-5

営業時間:(日曜定休+不定休)

11時~15時

※120食提供。なくなり次第終了

■10席(カウンターのみ)

■アクセス:JR高崎駅から徒歩約20分

■駐車場:なし(周辺にコイン式多数あり)

■予算:1000~1500円

■予約:不可

■支払い:現金のみ

 

《もはや食べるゲイジュツ》

 

ひつぞうです。先週末は(おサルのたっての希望で)またまた群馬プチ旅行。今年に入っていったい何度目でしょう。まあいいです。群馬の旨いラーメンが食べられるし。今回訪ねたのは群馬ラーメン界で№1の呼び声高い《くろ松》さんです。自分で確かめた訳でもないのにマスコミの情報に踊らされてはならない。ということで初実食。以下往訪録です。

 

「食べたいだけでしょ」サルただ単に

 

★ ★ ★

 

くろ松は味、清潔感、そして店主殿の丁寧な接客で人気を博する名店。しかも120食で営業終了。競争率も高い。ということで、午前9時に高崎入りすることにした。周辺をぐるぐる回って駐車場を物色。すでにヘンなひとである。警察がいれば職質受けそうだ。柳町界隈は高崎城の旧城下町にあたり、官公庁や学校が点在する静寂な佇まいの通り。過去に訪ねた群馬ラーメンが郊外路面店だった点と大きく違う。

 

(店と通りを挟む公園は紅葉の盛り)

 

この朝は冬らしい冷え込みだった。開業は11時。厭がるおサルを車中に残して、ひとり記帳台に向かう。しかし、台はあっても紙がない。訊けば一時間前に準備するという。張り出されるのを待つために9時30分に並んだ。当然一番である。自分の酔狂ぶりに苦笑いした。と思いきや、すぐにひとりの女性客が後ろについた。そしてまたひとり。判断は間違っていなかった。

 

 

9時50分。時間通りに店主殿が現れて「寒いなか朝からありがとうございます」と礼を述べながら紙をセットする。一見強面な面貌からは想像しがたい柔和な表情。そして深みのある艶やかな声。これぞ接客業の鏡。とのっけから無闇に感動しながら名前を記す。そして、目的を果たすと、みな四散していった。

 

 

「10時50分には戻ってきてください」と言われたので、定刻にいそいそ店の前に戻る。開店待ちの麺好きたちがたむろする中に店主殿が再び現れて、名前を呼びつつ列を作る。いよいよ店内に案内されて、左から順に詰めるように説明をうけた。

 

なんと。席は店主殿の眼の前だった…。気合の入るその姿。ちょっと目のやり場に困る。だが、考えようによってはその手捌き、庖丁捌きを眼にする絶好の機会と云えた。

 

「写真撮ったら怒られそうだにゃ」サルひそひそ

 

いいよ。そんなプレッシャーかけなくてもあせ(とアイコンタクト)。

 

 

まずはうに醤油漬け卵黄ごはんが配膳される。ご飯と卵は別の器で出てくる。食べる直前に乗せる格好だ。このごはんと麺を注文するのがくろ松常連の頼み方らしい。炭水化物×炭水化物なのはダイエット中の僕としては、かなり冒険だったが仕方ない。作法とセオリーは覆せない。

 

「ていうか、最初からラーメンやめろよって話だにゃ」サルおサルつけ麺にすゆ

 

「つけ麺は後になりますのでご容赦くださいね」と店主殿がおサルに断りを入れる。どんぶり三つが1ロットらしく、僕が頼んだ全部入りの中華そば《松》からスタートした。店主殿は丁寧にチャーシューを薄くスライス。フレッシュな三つ葉を小皿に並べる。盛りつけの準備が終わると、箸でリズムを取りながら、器用に茹であがった麺を丼に畳み、メンマ、ワンタン、チャーシュー、卵と盛りつけて、最後に三つ葉を載せて完成させた。

 

 

どうです。この盛りつけ。麺とスープのバランス。トッピングの塩梅。そして器の美しいこと。テーブルも極め付きの美しさ。営業終了後にスタッフがピカピカに磨いているさまが眼に浮かぶ。このあたりが「店主殿は板前修業の経験者ではないだろうか」と感じる由縁だ。

 

 

スープは二種類から選べる。僕は白醤油。早速すすってみる。煮干しと削り節の風味だろう。繊細かつ沁み入るようなコク。そして、柔らかく旨味の詰まったチャーシュー。一番の驚きはメンマの絶妙な歯応え。見た目は極太なのだが、ひと口噛めば溶けてしまいそうだ。そこまで言うとオーバーに聞こえるかもしれないが、本当に柔らかい。味も香りも絶品。酒肴にも合いそうだ。そう。実はここ。酒の提供もある。杉玉を掲げるくらいだから、マニアも納得の銘酒が期待できるに違いない。しかし、この行列で昼酒をチビチビやる度胸は、僕にはない。

 

 

かたやのおサル。ようやくつけ麺登場。割高なだけあって高級感がある。繰り返すようで申し訳ないが、麺のつやつや感が尋常ではないのだ。

 

 

この杉盛り。そして矩形に近い楕円の断面の中細麺。噛むと俺はここにいるぜと主張する弾力。

 

「つけ麺のほうが小麦粉の香りがすゆね」サル

 

 

つけ汁も美しい。酢橘の酸味がきいて、中華そばとはまた違う味わいだ。やはり噂に偽りはなかった。すべてにおいて極上のラーメン店だった。

 

時おり作業の合間に「温度は大丈夫ですか」「味はどうですか」と笑顔で訊いてくる。良かった。怒られなくて。本当であれば(特にラーメンなどの麺類は)配膳と同時に一気に食べて欲しいはずだ。なのに厭な顔など少しも見せない。人気店だけにそのあたりは理解されているのだろう。そのため、僕らも遠慮してパシパシっと数枚だけ。という訳で構図もピントも甘い。

 

当然メンマはお持ち帰りすることにした。家飲みでゆっくり味わうつもりだ。まだまだ群馬の旅は続く。

 

「美味かった!」サル

 

(つづく)

 

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