「明月院」で満開の紫陽花にうずもれる(神奈川県・鎌倉市) | ひつぞうとおサル妻の山旅日記

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ひつぞうです。
おサル妻との山旅を中心に日々の出来事を綴ってみます。

国指定史跡「明月院」

℡)0467-24-3437

 

往訪日:2022年6月18日

所在地:神奈川県鎌倉市山ノ内189

拝観時間:8時30分~17時

※紫陽花の季節の6月のみ30分早く開場

拝観料:一般 500円

アクセス:JR横須賀線・北鎌倉駅から徒歩7分

 

《今だけのコバルト色した絢爛絵巻》

 

ひつぞうです。先週末のこと、長らく往訪の機会を窺っていた鎌倉の名刹明月院を訪ねました。平治の乱で敗れた武将、山ノ内俊通の供養塔《名月庵》がその起源と云われています。その後、変遷を経つつ、中興の祖上杉憲方によって禅興寺として寺領が拡大。庵は明月院と名を改めたそうです。残念ながら明治の廃仏毀釈の波は鎌倉にも及び、現在では塔頭が残るのみ。しかし、狭い所領ながら紫陽花、花菖蒲、紅葉が植えられ、季節になればそれは見事だそうです。以下往訪記です。

 

★ ★ ★

 

《名月院》を知ったのはおサルの孝行旅行がきっかけだった。

 

「すっごく良かったにゃ♪」サル

 

早速ネットで検索してみる。なるほど。庭園いっぱいに咲く紫陽花。見応えありそうだ。しかし変だ。おサルがサルママと鎌倉に向かったのは初秋だったはず…。

 

「江の島の間違いかにゃ?」サル

 

紫陽花見たの?

 

「まだ咲いてなかった」サル

 

いや…咲いていなかったんではなくて、行った場所が違ったんじゃない?

 

「そーかもしれん」サル

 

なんとテキトーなあせ

 

しかし、なじってはいけない。いつもの事である。

お蔭で《明月院》を知ることができたし。

 

★ ★ ★

 

満開情報が発表された週末の土曜日。写真撮影には絶好のタイミングだった。

 

「何時に家を出るのち?」サル

 

開場30分前の到着でいいんじゃない?

 

「その時間には北鎌倉駅まで長蛇の列らしいにゃ」サル

 

まじ!?そ、そんなに大人気なの?

 

「コロナで二年間も封印されていたから、想像を絶する行列になるかもにゃ」サル

 

万難を排して、午前6時に自宅を出発した。北鎌倉駅に着いたのが午前7時過ぎ。ホームにあるのは地元の高校生の姿くらいだった。少しばかり安心して、閑静な住宅街に伸びる通称《明月院通り》を歩いていった。10分も経たずに正門前に到着。しかし、既に30人ほどの観光客が並んでいた。恐るべし。

 

(一時間以上は辛抱を強いられそうだ。静かに見えるが背後には長蛇の列)

 

普段は午前九時開場だが、紫陽花の季節だけ30分前倒し。その後、細い生活道路にどんどん列が伸びていく。八時を迎える頃には線路に達したらしい。

 

「サルの情報がなかったら大変なことになっていたにゃ」サル

 

オサル様様です💦

 

「別荘買って」サル

 

そんなご無体な…。

 

 

塀の外から観察して、突進のイメージトレーニング中。この先に券売所があって一人500円の入場料を払う。ふむふむ。

 

【場内模式図】

明月院のパンフより

 

時刻は午前8時を回った。これだけ列が伸びれば地域住民の眼もある。早目に開場されるに違いない。読みはあたり、8時20分開場。最前列のゴツいカメラの集団が一目散に駆けていく。そう。無人のビュースポットをゲットするためだ。

 

途中係員が「こちらにも通路があります。分かれてお進みください」とアナウンスするが、取り合ってはいけない。確かに通路はあるが、撮影ポイントはそっちじゃないのだ。

 

 

ここだ!絶好のタイミング。

 

この階段は通過できない。迂回した先行者が山門トップの脇からヌッと現れる前に撮らねばならない。これぞ一時間前から並んだ者だけが得ることができる仮そめの静寂。もう5分もすれば、先行した客がその先に現れる。

 

 

なんと美しいのだろう。子供の頃にお遊戯会で使ったボンボンを想い出した。

 

 

「おサル目線だとこうなるにゃ」サル

 

ローアングルもいいね。少しアンダー気味の露光も。

 

「全部スマホ任せだけどにゃ」サル

 

ずるいや。

 

背後には爺さん婆さん、若者に女子。皆が皆スマホを差し出して押しくら饅頭状態。脱出するのも至難の業である。おサルのように“小ささを武器にできる”人が羨ましい。

 

 

アルカリ土壌が支配的みたい。眼が覚めるようなコバルト色が美しい。

 

 

実はもう、すぐ後ろまで観光客の大群が押し寄せている(笑)。自分もそのひとりなんだけど。

 

 

しかし、待った甲斐があった。本当に綺麗。当たり年なのかもね。

山門の先には、やはりSNSでよく見かける本堂がある。行ってみよう。

 

 

方丈の奥の間は満月を模した飾り窓になっていて、楓と花菖蒲を書き割りのように見ることができる。ここも撮影順番待ちの行列である。

 

 

手前には見事な枯山水庭園があるのだが誰も見向きもしない。

 

「そりゃーね、皆アジサイ見に来ているわけだし」サル

 

 

お地蔵様の前掛けもコーディネイト。

 

 

開山堂の前に佇むおサルも紫陽花とコーディネイト。

 

「ヒツさー。どーしてそんなチェックのシャツなんか着てきたのち?」サル

 

何処に居ても目立つでしょ。迷子にならないようにね(笑)。

 

 

《瓶ノ井》は鎌倉十井らしいよ。

 

 

楓に抱かれた岩にはイワタバコがたくさん。

 

 

本堂前はもはや阿鼻叫喚の図絵になっていた。

 

 

やはり早起きは“山門”ならぬ“三文の徳”だった。さて、朝一番に仰ぎ見た山門にいってみよう。

 

 

いやいや。これはこれは。下界のしもじもたちがこっちを懸命に撮っておる。

 

「絶対嫌がられているよ」サル

 

SNSでアップされた写真に、派手な白いチェックのシャツを着て、ふてぶてしく仁王立ちになったオッサンが写っていればそれは僕だ(笑)。でも数秒だけよ。

 

 

たまには違う色もいいね。幾らキレイでもさすがにお腹いっぱいかも。

 

 

そろそろ行こうか。

 

 

一時間あまり並んで、見学したのも約一時間。それでも充分すぎるくらいだった。

 

 

帰りは竹林を抜けて門を出た。

 

 

行列はすごいことになっていた。警備員が「最後尾」の看板を持って誘導していた。

 

 

初の《明月院》逍遥。山に咲く自然の花もいいが、手入れされた庭園の花も悪くない。次回は紅葉の季節に訪ねてみよう。

 

「9時にもなっていないけど…」サル

 

まだビール飲めないね(笑)。自宅から近いとはいえど、鎌倉を訪ねることなど数年に一回。折角なのでもう一箇所寄り道することにした。

 

「近いと行かないんだよにゃー」サル

 

(つづく)

 

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