さるひつの温泉めぐり♪【第63回】
台ヶ森温泉 山野川旅館
往訪日:2019年5月11日
所在地:宮城県
泉名:台ヶ森温泉
泉質:含硫黄-ナトリウム・カルシウム-塩化物泉
泉温:19.1度(浴槽:42度)
色合:淡緑色透明
味匂:淡い苦味のある塩味/硫黄臭
pH値:8.0
■営業時間:(日帰り利用)9時~18時
■料金:(日帰り)500円
■駐車場:10台程度
≪冷鉱泉とは思えない素晴らしい硫黄泉≫
こんばんは。連日真夏日が観測され、夏の北アルプスに登れるのか不安で一杯のひつぞうです。さて福島県いわき市を後にした僕らは、宮城県仙台市にやってきました。翌日の登山の前に、是非訪れたい温泉があったのです。
★ ★ ★
仙台市内から西に逸れた平野部に、餅形の小さな山が幾つも並ぶ特異な景観が眼に映る。七ツ森と呼ばれる第三紀の火山群である。その中に台ヶ森温泉はある。阪妻三兄弟の長男・田村高廣が愛顧した鄙びた温泉宿で、冷鉱泉ながら効能豊かで味わい深い湯が愉しめると知った。
キャンプや釣りとアウトドア施設が充実した南川ダム周辺には、幾つかの温泉が点在するが、山野川旅館は唯一の宿泊施設らしい。残念ながらこの日は日帰り利用。遅くまで利用できるとあって(到着は15時20分と遅かったが)日帰り客は後を絶たなかった。
フロントで料金を支払い、左奥の廊下を曲がって浴場に向かう。
「良かった♪入れそうだにゃ!」
途中にたくさんの石碑が並ぶ様子が目に入った。ちょっと異様な光景。旅館のHPによると、石川啄木などゆかりの文学者の歌碑を、ファンが個人的に建立したのだという。ホントかな。
泉温19.1度の冷鉱泉なので加温、循環、塩素消毒はされている。ただ(当然ながら)源泉100%。さて入ってみよう。
「じゃあとでにゃ~」
なんとも美しい淡い鶯色をしていた。硫黄の成分が空気に反応して濁った結果だろう。先客がすぐに退出したので貸し切りになった。(上の写真の左奥に)蛇口があり、飲泉用のコップが置かれている。飲んでみた。予想どおりの塩辛さ。疲労回復や胃腸病予防に効きそうだ。
一面ガラス張りで見晴らしがいい。床も浴槽も綺麗に磨かれているので、とても気持ち好く湯に浸ることができる。
延宝年間の開湯で三百年の歴史があるという。伝説によれば半身不随の病に陥った武士が、夢枕に立った薬師様に導かれて病を完治したというのが、台ヶ森温泉の縁起である。
真偽のほどは別として、それほどの歴史がありながら、知名度が上がらないのは、日本人の「源泉掛け流し」と「露天風呂」に対する無闇矢鱈なありがたがりようが原因だと思っている。
洗い場も綺麗でしょ。
★ ★ ★
温泉の価値はずばり泉質。冷鉱泉だろうが、高温泉だろうが、飯が旨かろうが不味かろうが関係ない。いや、ないことはないけれど、一番優先される問題ではない。有名な遠刈田も秋保も所詮は保養地系。高級旅館に指をくわえるくらいならば、少しだけ足を伸ばして欲しい。本物の温泉を求める人に、きっと満足頂けるだろう。
「満足すた。店主さんも感じが良かった」
さてさて、後はスーパーで買い出しして車中泊だよ~。
(つづく)
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