「首都圏外郭放水路」
往訪日:2018年6月9日
所在地:埼玉県春日部市上金崎720
(関東地方整備局首都圏外郭放水路管理支所)「龍Q館」
見学時間:要予約(所要1時間)
入場料:無料
アクセス:(マイカー)圏央道「五霞IC」より約15km(30分)
(バス)イオンモール春日部線で「春日部駅」もしくは「南桜井駅」から「龍Q館」に直通
≪これが噂の地下宮殿≫
こんばんは。久しぶりにスーツを新調してウキウキのひつぞうです。これで嫌
いな仕事にも身が入ると云うものだ。あ~働きたくね~。
さてブログの方は関東“穴場”スポットの続編です。皆さん当たりましたか~♪
「大谷資料館」を後にした僕らは、一目散で埼玉県春日部市まで高速移動!
ちょっと際どかったね。というのも首都圏外郭放水路の見学は予約制で集
合時間が決まってるからなんだよ。なんとか20分前には到着した。
「ひつぞうのスケジュール管理は分単位だから気が気じゃないだよ」
その割にはぐっすり寝てたよ…。
集合場所は国土交通省関東地方整備局江戸川河川事務所首都圏外郭放水
路支所だ。
「中国の施設なのち?漢字ばっかり…」
愛称の「龍Q館」で調べればナビには出て来るね。江戸川右岸の河川敷にひ
と際目立つ煉瓦色の建物があるので判りやすいよ。駐車場は広いのでマイカ
ーがお薦め。バス停も眼の前にあるのでジモピーには便利かもね。
~施設見学の方法~
①4週間前から予約可能。一日3コマ。施設稼働などの理由で最初から開催し
ないコマや、予約しても当日地下宮殿に入れず、座学で終わる可能性もある。
②10時~11時、13時~14時、15時~16時の3コマ。所要時間1時間。はじめに
座学やパネル説明などがある。実際に地下宮殿で見学できるのは約10分。
③見学コースには「大人コース」「簡略コース」の二つがある。簡略コースは
龍Q館1Fのパネル(下の写真)で施設概要を説明。あとは地下宮殿にいく。
大人コースは流域説明、事業概要、模型による解説と土木マニア垂涎の
内容。意外にも「大人コース」の人気が高い。
④ここが一番肝心だけど「大人コース」は平日火曜~金曜のみ。週末は土曜
だけ。かつ「簡略コース」だけ。割と勤労者には選択肢がないんだよね(笑)。
「偉そうに書いているけど、予約は全部オサルチがやっただよ。ひつぞうは
指ひとつ動かしてないだよ!」
~見学予約のポイント~
■総じて15時からの最終コマは空きが多い。狙い目。
■そもそもが洪水吐き設備なので、大雨の可能性がある7月初旬や9月の
秋雨シーズンはポシャる可能性大。地下は涼しい(というか寒い)ので渇水
期(11月~3月)が狙い目かもしれないね。
予約はこちらHPから→ 東京外郭放水路の見学予約
そもそも首都圏外郭放水路とは洪水被害を繰り返してきた北関東の中川・綾川
流域の治水対策として事業化された設備なんだよね。一気に大雨が降ると雨水
が地下に浸潤せずに溢れてしまう地形なんだよ。数年前にも小貝川や鬼怒川の
氾濫がニュースになったでしょ。
「覚えてないにゃ~。広島とか熊本とか紀伊半島とか毎年どこかで大雨の被
害が出ているしにゃ」
ということで江戸川・利根川支流の中川、倉松川、幸松川など五つの中小河川
の溢れた雨水(うすい)を立坑と呼ばれる巨大な煙突のような設備に流し込み、
内径10mの地下トンネルを経由して、調圧水槽に一旦溜め込むことで、水勢を
弱めて排水するんだよ。この調圧水槽が今回見学する「地下宮殿」なんだ。
★ ★ ★
15分前までに「龍Q館」の2階にエレベータで上がる。1階にスタッフはいないの
で自分でスタスタいくこと。んで、受付をすませる。あとは好き勝手に模型や発
掘された貝塚など見学。
その後スタッフが1階への移動を促す。いよいよパネル説明開始(既に説明した
とおりだす)。
会場までは徒歩で100mほど移動。巨大水槽の上はサッカーの練習場になって
いる。その一隅にコンクリートの管理棟みたいなものがあって、そこが入り口に
なるんだね。
「勝手に入れないのち?」
無理だよ。鍵掛かっているし。
んで開錠されると一人ずつ列になって100段余りの階段を降っていく。一番下に
着くまで写真撮影は禁止だよ。隊伍を乱して転倒する可能性もあるからね。幾ら
魅力的な景観だと云ってもこれはルールだから。
あとね。洪水吐きしたあとは人力や重機で泥土の除去をするんだけど、ぬめり
やたまり水の可能性もある。これで転倒して骨折したのが他でもない僕なので
絶対注意しよう。靴はミュールとか下駄とか止めようね。
ということで着いたど~!
なお慌てて写真に夢中にならないで広報員の説明を聞こう。見学できるスペ
ースはロープで30m×30mの矩形に制限されている。それで充分幻想的な
写真が撮れるので外にでないように。
「君が一番キケンだと思う。すぐ夢中になるから…」
やっぱり?
「注意されると、逆に怒り始めるし」
そうかな。
これが入り口方面の階段ですな。全てメンテフリーのSUS製。照明が素晴らしく
まるでサンダーバードの基地みたいなんだよ。これインスタ用じゃなくて偶々高
照度の照明設備を設置しているんだろうけど。
掃除用の重機はここからクレーンで吊るされて降りてくるんだよ。調圧水槽の
容積はH18m×W18m×L177mもあるんだ。天井のコンクリート床板を支える
支柱(Pir)は59本もある。
おサルさ、支柱の断面が小判型してるじゃない。これな~んで?
「えっ!なんでって…水槽の形が長細いからなんじゃね?」
う~ん。好いところまでいってるんだけどね…。
ぼーっと生きてんじゃねーよ!
「ぼーっとなんか生きてねーよ!」
…答えはね。水流の向きと並行に長細くなると河川阻害率が下がって、雨水
の流れが好くなるからなんだ。
「ふむふむ」
この日は蒸し暑かったせいか、地下水槽の底に靄がかかっていて一層幻想的
だったね。
そういえばおサルさ、この支柱の底が袴になっているじゃん。これどーして?
「またきゃ。そんなこと知らなんだでも生きていけるだよ」
ぼーっと生きてない?
「だから○HKのパクリするのオヤメよ!」
これはね。支柱の支持強度を高める働きとね、洪水の流れで支柱と定盤の打ち
継ぎ目の部分が洗堀されて強度が低下するのを防止してるんだよ。
ここが第一立坑だね。おサルがいないとその巨大さが伝わらんな。
「やめてよにゃ!人を物差し代わりに使うの!」
途中まで支柱が洪水で汚れているね。ここまで浸水するんだね。
以前、建設中の明石海峡大橋のワイヤーの上のキャットウォークや、三重県の
比奈地ダムのベルマウスなど、人工物ながら芸術性のある土木構造物を体験
してきたけど、完成形でここまでの迫力のあるものは、なかなかなかったよ。
あっという間の10分間でしたな。
ということで外界に戻るとうだるような暑さだった。なんたって施設内部の温度
は20度程度だもん。いやいやいや、ここも素晴らしい景観だったし、涼しい思い
ができたね。
建物自体が洪水吐きゲートの設備の形をしていた。こってるな。
これで地下宮殿の旅もおしまい。しかしサルヒツジが未踏の穴場スポットは
幾つも残っている。いつかあなたの町の穴場にやってこないとも限らない。
(とりあえず終わり)
いつもご訪問ありがとうございます。