中部電力が募集を掛けていた浜岡原発見学ツアーに参加、中部電力が用意したバスで浜岡原発へ向かった…
バスの中では、中部電力御用学者の原発停止による経済への影響を語る「洗脳ビデオ」と防波壁(防潮堤)建設のビデオを見せられる。
浜岡原発に到着…
最初に浜岡原発入口に隣接する原子力館で原発基礎知識を学ばされた。(何度も来ている所)
この原子力館には、実物大の原子炉模型()がある。
実物大の格納容器の中に燃料棒、更に燃料集合体、ペレットの実物大模型も見れる。
中部電力の説明は、初めから「こんな(原子炉)頑丈に出来てます」から始まった。
頑丈だろうが福島第一原発と同じ米GE社製のマークⅠに変わりは無い。
原子力館を見て気が付くのは、使用済み燃料プールについて、あまり説明されていない事。
触れたく無いのだろうか?
それと以前、原子力館に来た時には無かった防波壁の実物大模型が追加されていた。
中部電力は、この防波壁によほど自信があるらしい。
今回の見学ツアーの目玉も、この防波壁だ。
1階の原子炉模型と防波壁模型を見学後、原子力館最上階の展望デッキに移動。
そこから防波壁が半望出来る。
以前、来た時は、防波壁は建設が始まったばかりで、その姿は見られ無かったが今は、ほぼその全容が見れる。
「高さ18mって、こんなもんか…」
さほど高くは感じらない。
メディアで報道されていた映像は、カメラを通して防波壁の真下から上を見上げる映像だった為、高く感じたのだろう。(演出か?)
防波壁の内側(敷地内)手前に廃炉が決定している1号機と2号機が見える。
耐震性に問題があると懸念されていた2号機から使用済み燃料が5号機の燃料プールへ移されたのは、つい最近だ。
それでも耐震性に問題がある1号機の燃料プールには、まだ使用済み燃料が眠っている。
廃炉が決まった1号機と2号機の排気塔には、耐震補強がされていない。
原子炉建屋の補強もされていない。
もちろん、ベントも無い。
1号機と2号機は、建屋から設備が古過ぎ経済的に耐震補強より廃炉が選択された。
その代わりとして中部電力は、6号機の新設を計画していたところへ3.11での福島第一原発事故が発生し新設どころか全機が政府要請により停止させられたのだ。
いずれは、1号機の使用済み燃料もどこかへ移すのだろうが、いまだに移されていないところを見ると、移す場所が無いのでは?
5号機のプールは、2号機の使用済み燃料を移しいっぱい、いっぱいだろう。
3~4号機のプールは、再稼働を狙っている事から、同号機から出る使用済み燃料の為に確保が必要となる。
かと言って六ヶ所村も受け入れは不可能だ。
このまま、南海トラフ巨大地震に見舞われたら1号機使用済み燃料プール崩壊が現実のものとなりかねない。
原子力館で使用済み燃料プールの説明が少ない理由もこの辺りにあるのかも知れない…
原子力館を出て、いよいよ浜岡原発敷地内へ…
と、その前に金属探知機を通らなければならない。
テロ対策だとか…
カメラ、携帯は持ち込み禁止。
原子力館内は撮影可能だが、展望デッキからの浜岡原発全貌撮影は禁止だった。
金属探知機を通りバスに乗り込み出発。
浜岡原発敷地内の道路は狭い。
中型バスがギリギリ通れる程度の道幅しかない。
海側の2車線あった直線道路は、1.6kmの防波壁の下に埋もれた。
東京ディズニーランドとディズニーシーを合わせた敷地面積と豪語する割りには、道幅も狭くクネクネと入りくんでいる。
これでは、津波に襲われ瓦礫が散乱したら身動きが取れない。
バスは、重要免震塔を左手に見ながら、原発西側の防波壁から改良盛土の間にある「防波壁見学施設」に到着。
施設と言っても足場階段を上りプレハブ小屋があるだけだが…
ここで、防波壁建設開始から完成までを15分に超短縮したDVDと言うより動画?を見せられる。
1.6kmの防波壁は、一辺が12mのブロック構造となっている。
各ブロックごとは、直径5㎝の鉄筋が組み込まれた剛合構造(コンクリート)でその周りに鉄板を張り巡らせ無数のボルトで固定しているのだが、各ブロックの間ごとに3㎝の隙間が設けられていて、シリコン樹脂が充填されている。
これは、防波壁の熱膨張(伸縮)を逃がす措置らしいのだが、津波の水圧に耐え切れるのか疑問だ。
このブロックを積み上げた高さが18m。
18mというのは、福島第一原発事故を襲った16mを想定した高さだが、後に南海トラフ巨大地震の想定が大きく変わり、追加で4mのかさ上げ工事中で、トータル22mになる。
しかし、追加される4mは、南海トラフ巨大地震の津波からしてみればお飾り程度。
中部電力の話しによると津波の下から真ん中に掛けては水圧が高いが上の方は、水圧が弱いから、この程度で大丈夫との事。
見た目にも、この「ついたて」は、津波で消えて無くなりそうだ。
防波壁の基礎部は、地下30mまで鉄板コンクリートが打ち込まれ1ブロック(12m)ごとに基礎が2本となって岩盤に直線達している。
説明の中で、やたら「硬い岩盤」と言う言葉が出ていたが、砂岩と泥岩の相良層(岩盤)は、軟弱岩盤に分類されている。
中部電力のHPでは、以前は硬い岩盤と掲載されていたが、この前みたら軟弱岩盤と修正されていた。
…が、広報では、まだ相良層を硬い岩盤と信じ切っているらしい。
確かに基礎自体は、強固な物なのだが、2009年の駿河湾沖地震でも敷地内で隆起と沈降箇所が現れた様に1.6kmと長い防波壁だけに一定量均等に隆起するとは考えにくい。
防波壁の途中で隆起と沈降が起これば、たとえ強固な基礎であっても意味が無くなる。
中部電力は、浜岡原発敷地内の隆起量は1~2mと考えられるが、均等にゆるやかな隆起が起こると錯覚している。
もちろん、敷地内で隆起と沈降の落差が生じれば配管はおろか原子炉建屋ですら最悪半壊しかねない。
現に1~4号機と5号機の地下では、揺れの伝動が異なる事が分かっている。
5号機の地下深くに軟弱な地層があり揺れを増幅するのだ。
その為、3号機は、2015年9月、4号機は、2016年9月に再稼働のめどを立てているが、一番新しい5号機の再稼働のめどは立っていない。
西側から5号機手前で変わる地層の上に防波壁が連なっているのだから、ここで崩壊が始まりそうだ。
南海トラフ巨大地震の強震により防波壁の一部が崩壊、そこへ巨大津波が襲い防波壁が崩壊する可能性は高い
中部電力は、津波が防波壁を越えた場合の浸水対策も取っているが…
浸水対策は、各原子炉建屋を含む重要施設への浸水を防ぐ防水扉と取水槽からの浸水を防ぐ防潮壁などの対策を施している。(一部はこれから)
聞くのを忘れたが、防波壁が崩壊せず津波が防波壁を越え敷地内が浸水した場合、防水扉は、水面下となる。
この浸水した海水を取り除く(排出)する設備は、整っているのだろか?
周りを防波壁に囲まれていては、浸水した大量の海水は、いつまでも抜け無い。
まあ、そこら辺は、普通考えているとは思うが、すぐには排出出来ないだろう。
その間、配管や配線、電源設備は、海水に浸される事になる。
もちろん、緊急注水車やホース車など水陸両用車両でなければ進入不可能だ。
人間も防護服では無くウェットスーツと酸素ボンベが必要となるだろう。
ダイビングの資格を持つ社員を準備しといた方が良さそうだ。
プレハブ小屋で一通り防波壁の説明を聞かされた後、再びバスへ乗り込む。
そのまま、防波壁真下まで行くと思いきや、防波壁見学は、これで終わり。
一番近付いた所で防波壁から約100m…
「防波壁見学」では無く「防波壁遠くから一部だけ見学」だった。
バスは、再び重要免震塔横を通り更に細く曲がりくねった道を進む。
海抜40m、原子炉建屋群の北側に位置する「非常用電源見学」に移った。
海抜40mの高台には、非常用電源車では無く小型のガスタービン発電機が建設されていた。
燃料は重油で乾式。
緊急時には、このガスタービンで発電した電気を電源に冷却ポンプを回すと言う。
原子炉には、通常冷却用のポンプの他に熱巡回式冷却装置と万が一メルトダウンした場合、格納容器低部で溶け落ちた燃料を冷却する設備も兼備えられていると言うが、メルトダウンは、冷却出来ずに燃料が溶け落ちる、その燃料を冷却出来るのなら、初めからメルトダウンは起こらない気がする。
中部電力が想定しているのは、ここまで。
それ以上の被害は、想定していない。
一応、ベントもあるらしいが浜岡原発にベントが設置された話しは聞いた事が無い。
各原子炉建屋の補強については、元から耐震性があるので新たに何もする必要は無いらしい。
だが、この耐震基準は、中部電力が独自に1854年の安政地震(M8.6)に想定を合わせている。
今、考えられる最悪の想定(M9.0~9.2)には到底耐え切れないだろう。
それでも国の想定に合わせ3.11以降、配管類の補強(配管固定アングル)を強化したとの事だが…
原子炉及び原子炉建屋の追加耐震性補強には、莫大な費用と工事期間を要する事から「必要無い」と言い張っているのだと思われる。
建屋の補強も必要無いと言うくらいだから、使用済み燃料プールも補強はされていない。
史上最悪の事故を招き兼ねないと危惧される燃料プールは、南海トラフ3連動巨体地震が懸念される以前に建設されたままなのだ
この使用済み燃料プール。
福島第一原発でも地震の揺れでプールの冷却水が外に漏れた。
漏れたと言うより放射能を帯びた冷却水が飛び出たと言う方が正しい。
福島第一原発を襲ったのは震度6(強震)。
浜岡原発を襲うのは震度7強(激震)。
震度7以上の震度は設定されていない。
その最高震度が浜岡原発を直撃する。
万が一、使用済み燃料プール崩壊を間逃れたとしても燃料プールの冷却水は、プール外に大量放出するだろう。
燃料プール外ある建屋最上部に差教員がいたら間違いなく被爆する。
排水口などを伝わり外部へ流出する可能性も考えられる。
それでも、燃料プール崩壊と比べたら小さな被害と言えるのが怖い。
バスは、非常用ガスタービンで停止する事無く裏手に回り込みバスの側面を擦りそうな狭い下り坂を進む。
高台中腹に開けた未舗装の駐車場がある。
そこには、新車の給水ポンプ車とホース車が1セットになった3セットとシートで覆われた何かの機材を積んだ4トン車が6~8台置いてある。
給水・ポンプ車は、大型(10トン)車と思いきや中型(4トン)車だった。
やはり、敷地内の通路が狭いからなのだろう。
これらの非常用(緊急)車両が通る道路は、間違い無く崩壊する。
約立たずの産物となるだろう。
浜岡原発見学は、これで終わりだった。
物足りなさと不十分さが残る。
帰りのバスでアンケートを書かされたが、内容は、特定秘密保護法に引っ掛かるので公表出来ない(笑)。
浜岡原発見学ツアーを終え感じのは、確かに中部電力の再稼働に賭ける意気込みと涙ぐましい努力は認める。
…が、それにより浜岡原発事故が確実に近付いている事を実感した。
これだけの無駄な津波対策(3000億円超)がなされていれば規制委員会の新基準もクリアするだろう。
しかし、基準は基準。
実際の南海トラフ巨大地震に浜岡原発が耐え切れるかは、規制委員会でも分から無い。
耐え切れるかも知れない…
耐え切れないかも知れない…
そんな一か八かに人生の半分を賭ける訳には行かない!!
浜岡原発事故を防ぐには、津波対策や耐震補強では無く、即時廃炉と使用済み燃料の移動が最も有効な手段なのだ。
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