言いたいことはたくさんあるが、できるだけわかりやすく簡潔にするために、

①金銭の問題
②意識(思考)の問題

に分けて考える。


第一の大前提は
・公務員の給料が高いので下げる方向になっている
ということ。


これを思考のスミに入れておいて、以下の議論を進める。



今回の具体的な行動としては、①金銭(退職金)を下げること。


したがって、①金銭に関しては「下げる前の退職金」。

これを基準として考える。


すると、2月1日に退職金を下げると

1)3月末まで働くと、基準に対してマイナス150万円。(おおよその値)
2)1月末まで働くと、基準に対してマイナス100万円。(おおよその値)


おわかりのように、どちらにしても基準からマイナスである。損なのである。

しかし、これは仕方が無い。大前提があるからである。
運悪く、今年以降の教師は退職金が減ることになってしまっただけのことである。
言い換えると、今年の退職世代だけを問題にすることではない。


今年の退職世代だけを問題にするのは、1)2)である。


さて、ここで②意識(思考)の問題が出てくる。


すなわち、「私はマイナス100万円とマイナス150万円のどちらを選ぶか?」

言うまでもない。

マイナス100万円を選択する人を否定することはできない。普通の思考だからだ。


このような見解は一部の他の人もしているので、良いだろう。




問題は、県がなぜこのような選択が可能になる矛盾したシステムを構築したか?だ。


答えは容易に想像できる。


「今年の世代の教師から退職金を減らしたかったから」だ。


そのためには、4/1以前でなければならない。

問題はなぜ2/1にしたのか?だ。


何も考えずに2/1したのであれば、ここでの議論はこれで終わる。悪意がないからだ。




2/1の設定には悪意があるとしか思えない。


次のように想像できる。

「年度末ぎりぎりで退職金を下げると、施行前に辞めるやつが続出するから、
ある程度余裕を持って変更しないといけないだろう。では2/1としよう。」


実際、埼玉県知事?の想定では1月末までにやめる人は3%と見積もっていたらしい。


それが10%と予想以上だったからこんなコメントが出てくる。

「責任もって、最後まで働け!」



でも、この裏にはこんな悪意がある。

「おまえらは150万円損しても最後まで働かせてやる。得するのは何もしない俺達(県)だ。制度だけ変えて得をしてやる。」

別の言い方をすれば、

「お前らは善人なんだから、損してでも最後まで働くはずだ。それに便乗して、何もしない俺達(県)が儲けてやる。」


こういう発言を責任ある立場の者が、このような悪意を隠しながら、どうどうと「責任もって、最後まで働け!」と言うことが問題である。


「善人を食い物にしている社会の方が正しい」と、どうどうと言っているのである。


「善人を食い物にするような制度を構築した自分達が正しい、正義である」と言っている。


そして、心の底から自分が正しいと思い込んでいる。悪意があることを意識できていない。



悪意があることを意識できない人がトップになれる社会だから、この世の中に不公平が蔓延するのである。


早く、自分が何を考えているのかを判断できる理性のある人間がトップに立つ社会になってほしいものである。

そのためには、悪意があることを意識できるよにならなければならないけど。