2015年3月25日発行 株式会社 幻冬舎
321ページ 雑誌掲載作品を加筆・修正
★★★*☆ 3.8点:個人的な感想
画像は文庫版ですが、読んだのは単行本です。
【あらすじ】
家族と幸せな日々を送っていた男に、ある日手紙が届く。
それは、過去にかわした、とんでもない約束だった。
手紙を送ったのは誰なのか、
今の生活を守ることができるのか。
【感想】
薬丸岳氏の作品は、何作も読んでいます。
どれも、重いテーマで考えさせられる話で、
「読書は娯楽」と思っている私には、
本当は重い内容だったりします。
けれど、彼の作品は、
人間に対する愛情や、人を信じているという気持ちや、
そういうものを感じてしまうので、なぜだか惹かれます。
この作品も、よく練りこまれた物語でした。
途中、なぜそこまで主人公に復讐させようと強要するのか、
自分でできるじゃないかと、不思議に思ったのですが、
そういった謎も、納得しました。
この先ネタバレ
ひとつだけ、過去犯罪を繰り返していた頃の主人公が、
ある犯行途中で急に人助け、というのは、
すごく違和感がありました。
私は、やっぱり犯罪を繰り返し犯している人間に、
良心が芽生えるとか、そういうのはキレイごとにしか、思えません。
想像ですが、
薬丸氏は、やっぱり人間の良心を信じているのでしょうね。
もしくは、そうあってほしいと願っているのでしょうか。