2012年4月25日発行 文藝春秋 414ページ
別冊文藝春秋 「死にゆく者の祈り」を改題
(★★*☆☆ 2.5点:個人的な感想)
【あらすじ】
余命わずかの病に冒された男たち。
ひとりは殺人を犯し、ひとりは犯罪を追った。
【感想】
薬丸岳氏の作品は、気に入っていて、わりとよく読んでいます。
けれど、これはがっかりでした。
最初から犯人が分かっているので、
警察の捜査の描写は、とてもつまらなかったです。
もう少しミステリー仕立てにして、
犯人を追う部分も楽しませていただきたかったな。
そして、余命わずかと知りながら、犯人を追う刑事、蒼井。
引き時もわかっていない、家族の気持ちも受け入れない、
彼の使命感もいまいち理解しがたい。
亡き妻との思いからなのかもしれないけど・・・
犯人の身勝手な殺人も、
その理由が分かってからも、
理解することはもちろん、同情することも共感することもできず、
ただただ後味の悪さだけが残りました。