2013年12月10日 講談社 347ページ
書き下ろし
(★★★*☆ 3.5点:個人的な感想)
【あらすじ】
医師が隠れて借りていた部屋で自殺した。
検事の志藤は、他殺を疑い捜査をする。
一方、刑事の夏目信人は、
医学部受験生が失踪した件を調べていた。
夏目シリーズの長編。
【感想】
描かれている夏目刑事は、
優しく穏やかで、
けれど、真相を見極めようとする厳しい目を持っています。
彼の人柄もあって、安心して読み進められました。
ただね、期待しているからでしょうか。
不可はないけど、心に残るものも薄い印象です。
このあとネタバレ含みます。
殺された被害者も、加害者の犯行理由も、
それをかばった人達、
登場人物やエピソードが、弱いです。
最初はとても印象的だった、事件現場となった鏡に囲まれた部屋も、
読み終えた後には、鏡部屋であった意味もよくわからないし。
この物語に書いてあった
「心を殺したから、身体を殺した」とか、
ペットを殺させる、というエピソードも、
作者の心に、何か思うところがあるのでしょうか。
「Aではない君と」に繋がっているように思いました。