★★★★☆ 4.0点(個人的な好みによる)
ファンタジー

平安時代の陰陽師安倍晴明と、親友源博雅の物語。
『陰陽師』シリーズの、初の長編。

私は、小説を読むのが好きです。
その楽しみ方には、いくつかあって、
物語を楽しむ。
文章を楽しむ。
世界観を楽しむ。
…など、他にもあるのですが、
この本は、
一番には、文章が楽しい本だと思います。
オノマトペが、実に効果的に使われていて、
読んでいて、どきどきします。
文章も短く、テンポ良く、とてもとても読みやすいです。
そして、ファンタジーですから、その世界の雰囲気を楽しめます。
とはいえ、日本の平安時代の物語ですから、
どこかで読んだり、目にしたりしているので、全くの空想の世界ではないですね。
私のイメージですが、平安時代は、
物の怪や鬼が人間の世界に住んでいる時代だったようで、
『陰陽師』も、そんな設定で描かれています。
また、陰陽師や安倍晴明について、詳しくないとしても、
説明されていますので、それほど心配ありません。

私は、この本が出版されてすぐ、妹が購入したのを借りて読みました。
以来、たまに、この文章を読みたくなります。
この記事をを書くために、初めから読み返してみたのですが、
やっぱり、文章はおもしろいし、
世界観も含めて魅力ある味わいを持った作品だなぁと思いました。
長編と言っても、文章は短く、
中編に近いと思いますので、時間もかからず読めます。
なにしろ、文章がとても面白い味わいなので、その点でもオススメです。
個人的には、あまり読まないジャンルの本なのですが、
魅力のある本なので、ご紹介しました。
00.4 発行
文藝春秋