鬼の話
                        ◇まゆつば国語教室 4
 
古典文学の時代、人々が怖れたモノの代表格と言えば、鬼!
 
絵本の鬼は、角を生やし、虎皮のパンツをはいて、金棒をふりまわす強力(ごうりき)の怪物ですが、これはかなり後の世になって作られたイメージ。
 
先にこのイメージについて説明すると、方角を干支で表す中国の考え方に沿ったもののようです。
北が子(ね)、東が卯(う)、南が午(うま)、西が酉(とり)。右回りの円を考えてください。
で、中国では北東の方角から悪いモノがやってくるという信仰があり、「鬼門」と呼びました。
(あ。中国で「鬼(き)」というと、死者の亡霊のことです。キョンシーです)
 
北東の方角は、干支で言うと、丑(うし)と寅(とら)の間なので、「丑寅の方角」と言います。「艮」という一字で「うしとら」と読ませることもあります。
(辰巳=南東=を巽の一字で表すのと同じ。すぐ脇道に入ってしまう(;´Д`))
 
で、何の話でしたっけ。
そうそう……はい。そうです。鬼門でした。
鬼門=丑寅(うしとら)という関連から、「鬼」は牛の角を持ち、虎皮のパンツをはく姿に造型されたようです。室町時代のお伽草子のころかな。
 
ちなみに、鬼門の方角を忌避し、防御するという考え方から、都や本拠地を築くときには北東に大きな寺社を建てました。
いきなりクイズ!
平安京、江戸の場合は……何を建てたでしょ?
 
 
  (*´◒`*)  <(_ _)>  ( ̄∇ ̄+)  (*゚ー゚)ゞ  (^^;)  (=´∀`)
 
 
そう。平安京は比叡山延暦寺、江戸は日光東照宮ですね。
延暦寺は平安京を、東照宮は江戸を守るために、あそこにあるんです!
で、本題です(やっと)。
 
日本語の「おに」は隠(おぬ)が語源ではないかと考えられていて、本来、「姿が見えない」ことが大きな特徴です。奈良、平安、鎌倉時代の古典に出てくる鬼は、だいたい、姿が見えません。
もう一つの特徴は…………
 
人を食うことです。
速攻で食って、遠慮なく食い散らかします。( ̄□ ̄;)!!
 
ということで、今回は「姿が見えない鬼が人を食う」という定型の話
をひとつ御紹介!

と思ったけど、長くなってきて疲れたので、お話は次回……。
(前置き長すぎだろ (`Д´) !)