ここ数年ずっと意識し続けてきたことがあります。それは、台湾滞在中、公開タイミングが合う台湾映画をできる限り劇場に見に行くこと。

それでも時期が合わなくて、DVD化されない作品もたくさんあって、残念な思いをしたことが何度もありました。

そのひとつが、映画『台北セブンラブ(原題:相愛的七種設計)』(監督・陳宏一)です。

台湾公開は2014年。今年、日本公開で見る機会に恵まれ、「なんて色褪せていない作品なの!?」と驚きました。

台湾社会の変化のスピードはとても早く、1年前の映画でも、古いと感じることがあります。でも、5年も前に公開された『台北セブンラブ』は、逆に”新作”では、と錯覚を起こすほどでした。

 

ストーリーの詳細についてここでは触れませんが、主演の許瑋甯を始め、キャストの多くが、台湾映画界で大活躍する役者へとその後成長しております。

 

個人的には、鄭有傑さんが出演していたのを見つけて、大興奮!

だって鄭有傑さんは、拙著『私の箱子』と『ママ、ご飯まだ?』を原作とした舞台『時光の手箱』で、私の父親役を演じて下さった方だから(笑)。

ちなみに、『陽陽』や『太陽的孩子』などの代表作を持つ映画監督でもあります。

なかなかシュールな役どころなので、ぜひ注目してください。

 

『台北セブンラブ(原題:相愛的七種設計)』ーすでに台湾に詳しい方にも、これから台湾を知りたい方にもオススメの作品です!

 

私が映画に寄せたコメントです。

 

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台北に流れる時間は、我々の想像以上にテンポが速い。ヒト、モノ、カネが目まぐるしく動き、そこに生きる人々は誰もが活き活きとしている。そんないまの台湾の若者たちの生き様を描く作品であり、恋愛や仕事に関するエピソードがスピーディーに展開され、映像的にも実験的な試みがあちこちに入っている。若者たちの人生観を描くために、いささか複雑に組まれたストーリー構成が、ガウディの未完傑作のようで想像力を掻き立てられる。スタイリッシュでかっこいいデザインの最前線にいながら、原付に乗り、夜食の定番である鹽酥雞(台湾唐揚げ)をがっついて食べる姿は、まさに台湾の若者たちそのもの。多様でかっこいい台湾を体感させる映画だ。

 

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『台北セブンラブ』上映スケジュール

<ユジク阿佐ヶ谷での台湾巨匠傑作選2019〜恋する台湾〜>

■7/26(金)19:30-
■7/29(月)14:50-
■8/6(火)17:40-
■8/11(日)10:00-
■8/16(金)12:10-

 

宮城県 フォーラム仙台

■7/19(金)〜公開中

 

*全国(栃木、福岡など)順次公開予定

詳細は公式ホームページをご覧ください