先週末、サイクリング屋久島に参加するため、屋久島に行ってきました。

「サイクリング屋久島」とは、屋久島の一周約100キロを自転車で回る1日かけてのイベント。今年は2月19日に開催されました。他にも50キロや25キロ部門もあるので、個人の体力や目的に合わせて申し込むことができます。

昨年11月に自転車でチャレンジした台湾一周の「環島」以来、すっかり自転車に乗ることの楽しさに魅せられた私。日本でもロングライドをしたいと思って探していたところ、サイクリング屋久島を見つけました。

日本初の世界遺産に登録された屋久島。縄文杉が圧倒的に有名だけれども、シカやサルと出会える西部林道や海中温泉などもあり、自然豊かでたっぷり遊び、癒される場所だ。

 

鹿児島からかなり小型の飛行機に乗り換え、屋久島へ。屋久島は東京から約1000キロの距離にあり、さらに1000キロ行けば台北にたどり着きます。眼下に広がる海岸線に、台湾の東海岸を彷彿させられました。白雲に寄り添うように、2000メートル近くの峰々が連なり、深緑の絨毯で島全体が覆われています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レンタカーで約3時間かけ、島一周に出発。空港は島の東側。街は空港や空港の北側の港・宮之浦を中心に栄えているそうです。そのまま反時計回りに車で走れば、首折れさばで有名な一湊、ウミガメの産卵地・永田と続き、携帯電話が圏外の西部林道に入って行きます。約20キロの林道に人家はなく、ヤクシカやヤクザルが警戒心なく自由に生息する照葉樹の森が広がっています。車窓から入ってくる空気が美味しい。

島の南部には海中温泉の平内温泉があり、周囲の農地には、旬のタンカンがたわわに実っていました。

 

泊まったJRホテル屋久島で、食べたトビウオのお刺身の身の厚さと甘さに感動。

東西南北の各地で、全く異なった風景が見られる屋久島には、旨味成分がぎゅっと詰まっていました。

 

  

チャレンジした100キロ部門のスタート地点は島の南にある尾之間。

早朝、ここから反時計回りに一周が始まります。ユニフォームを揃えて参加していたチームや、親子、カップルと参加者は様々。366日が雨と言われるほど多雨な屋久島だけれども、サイクリング大会が開催された日は快晴。心地よい陽射しのなか、ペダルを回し続ける。小刻みなアップダウンが続き、思いの外海風が強く「大丈夫かしら」と思っていれば、沿道にいるたくさんの島民の方々の声援に励まされ、笑顔になれました。

疲れてきたころには、水分、食料を補給できるエイドステーションがちょうど良いタイミングで現れ、フルーツや手作りのおはぎやお漬物などが並んでいました。

 

  

エイドステーションで食べたベスト3は、搾りたてのタンカンジュース、かからん葉で包まれた「かからん団子(草餅)」、芋餅!

あまりにも美味しいかったので、お腹が膨らむほど食べてしまい、逆に走りにくくなってしまったほど(笑)。ちなみに、かからん団子とタンカンはお土産に買って帰りました。

 

  

 

昼食会場の永田で見た河口の水の色は、透き通るようなエメラルドグリーン。屋久島で飲んだ水は喉越しが柔らかくて、するっと体に吸収されるのがわかるくらい素晴らしい。お昼を済ませ、待っているのは西部林道。結構な坂道が続いて苦しかったけれども、樹木に覆われた一本道はひんやりとして気持ちがよく、ときおり聞こえてくるサルの鳴き声や毛づくろいするサルの集団に、自転車を降りて観察する人を多く見かけました。

 

  

林道を抜け、待っていたのはエイドステーションのカレーライス!屋久島サイクリングの名物となっているらしく、カレーの匂いがしたら、ゴールは目前という合図のようです。

 

午後3時過ぎ、無事100キロの走行を終えゴール。

ゴール後は、トローリとした化粧水のような泉質で、全身すべすべになれる尾之間の温泉に浸かり疲れを癒しました。

 

無理のない距離と飽きないコースが屋久島サイクリングの魅力と実感した一日。

 

 

番外編として、実は100キロ挑戦の前日に、8キロのヒルクライムが行われました。”セットで申し込むとお得”というキャッチフレーズに惹かれて何も考えずに申し込んだものの、会場に着いて大後悔。

女性の参加者は3名!?男性陣はかなりのアスリート体型の人ばかり。

それもそのはず、走り始めてわかったのは、信じられない勾配を一気に駆け上がるコースのため、体力に自信のある人や自転車に乗りなれている人しかチャレンジしない設定だったから。

結果、当然ビリ。ゴール直前で足がフラフラになり、転倒もしましたが、サポートカーが護衛のようについて来て下さり、応援し続けてくれました。

歩くよりも遅い速度で、打ち切りギリギリのタイムでのゴール。

みなさん、本当にありがとうございました。そして、ご迷惑おかけしてすみませんでした。

 

  

 

3月中旬からシーズンとなる屋久島。

ゴールデンウィークともなれば、島内はレンタカーとトレッキング客でいっぱいになるとか。サイクリングを契機に訪れた屋久島だったけれども、山、マングローブ、タンカン、トビウオ、サバ、海中温泉……と台湾と共通するものが多い。私にはとてもしっくりときて、もっと知りたくなりました。

次はウミガメの産卵シーズンに合わせて訪れ、縄文杉を見て帰ろうかな。