GWで台湾に遊びに行かれている方も多いかと。
暑くなる前の一番良い季節なので、皆さん思いっきり楽まれているのでは!?

さて、全開の台湾滞在中に何本か映画を見ていたのですが、その一本をご紹介したいと思います。
タイトルは「阿嬤的夢中情人」直訳すると~お婆ちゃんの夢の中の恋人~という感じでしょうか。

現在の台湾映画は北京語が主で、部分的に台湾語を話す人が登場したりする形でできている作品が多いのですが、その昔、台湾語だけで撮られた作品が人々に受け、大ヒットしていた時期があったのをご存知でしょうか。
1950年代から1970年代前半が台湾語映画の黄金期であり、そのほとんどの撮影は今でも温泉地として有名な「北投」で行なわれていたのです。
そのため当時の「北投」は「台湾ハリウッド」と呼ばれていて、大変な賑わいだったとか。
「阿嬤的夢中情人」はこのような台湾映画の黄金期を描いた作品です。
現代に生きる小婕(李亦捷)にはアルツハイマーを患うお婆ちゃんがいます。そのお婆ちゃんがいつも口にするのは「私の夫は萬寶龍」という言葉。萬寶龍は1960年代に最も人気のあった映画スターであることはわかったけれども、何故お婆ちゃんの夫が萬寶龍なのか?
その謎を解くために、おじいさんが語り始める昔話は、台湾語映画の黄金期へとタイムスリップして行きます。
お婆ちゃんを演じるのはアイドルの安心亞、若かりしおじいちゃん役は藍正龍。
冒頭でイケメンの藍正龍はアフロヘアをかぶったり、とんでもないはじけた演技をしているので、もしや……と思ったら、やはり監督は関西出身の在台日本人監督の北村豊晴さん!
実にコミカルに当時を再現していました。
テンポがよく、あっという間に見終わりましたが、最後にはジ~ンとさせられてしまい、涙まで出てしまった一作です。

おじいさんのセリフが良かった。
「電影可以看二輪,但是人生就只有首輪,人生只有一次,不可能重來一次」

この映画、もう上映期間は終わってしまったのすが、いま公開されている中国語映画は湖南省大飢饉描いた馮小剛監督の中国映画「1942」や同じく中国のミステリー映画「浮城謎事」があります。