鬼は外、福は内。


二十代のころは、なんだかこのフレーズにひっかかりを感じた。

理想に燃えた青年。他者の幸福のためには、むしろ自らの安穏をかえりみずに“鬼”をわが手に引き受けてこそ、革命児ではないのか。うおお。


三十代の今、イベント好きの奥さんと一緒に、節分を楽しんでいる。

きょうの夕食は巻き寿司だった。お義父さんからいただいた鬼の面を私がかぶり、奥さんと息子に豆をまかせる。ビデオもまわした。

わずかの間だったが、充実した団らんのひとときを過ごせた。


かくかく鹿々


深夜になり、豆を食べながらしみじみと思う。

今の私は、桃太郎の物語を息子に読んで聞かせることができるだろうか。


ふと、来年からうちの節分は「鬼は内」にしようかと奥さんに提案した。


「何、それ?」


すまない、私の説明不足だ。

そんなに険しい顔をしないでくれ。

鬼も福も逃げていくぞ。


おわびに、きみが頑張って作った夕食の画像をアップしてご機嫌をとろう。韓国風巻き寿司は最高だった。


かくかく鹿々

来年も楽しい節分にしよう。