◆第95回高校野球選手権青森大会 ▽4回戦 青森山田7―6弘前南(17日・青森市営) 青森大会は8強が出そろい、16日にベンチ外の部員が刃物男を取り押さえた青森山田は4回戦で弘前南に7―6で逆転勝ちして準々決勝進出を決めた。

 グラウンド外でファインプレーを見せた仲間の勇気が、ナインに乗り移った。3回を終え2―6の劣勢から、青森山田が逆転勝ちした。西村凌主将(3年)が「焦っていなかったと言えばうそになるけど、今までやってきたことを出そうとした」と話せば、佐藤伸二監督(40)は「こういう試合をものにできたのは大きい」と胸をなで下ろした。

 試合前日の16日、控え部員の佐藤和哉(3年)が、刃物を持った男に体当たりして女性を助けた。「頭よりも体が動いた」と振り返るが、けがなどを心配する連絡が約40件も届き、母・恵美子さんには泣きそうな声で「今度は(体当たりに)いかないで」と言われたという。この日はスタンドから声援を送った佐藤は、「今やるべきことを精いっぱいやるだけです」と語る。そんな勇敢なチームメートの心意気に、選手たちが応えた。

 佐藤と同学年の3番・松本一輝内野手(3年)が0―2の2回に右翼へ追撃のソロ弾。1点を追う7回1死二、三塁では、小学生時に佐藤と同じクラブチームだった水木海斗内野手(1年)が、左翼線へ逆転の2点適時二塁打を放った。「佐藤先輩は憧れの人。誇りに思います」と話す後輩が期待に応えた。

 これで、4年ぶりの甲子園まであと3勝。五所川原商との準々決勝(19日)へ向け、西村主将は「夏は簡単に勝てないことを実感した。一戦必勝でぶつかっていきたい」と気を引き締め直した。勇気があれば逆境をはね返せることを仲間に教わり、試合で実践した青森山田が、頂点へ向かう。

 ◆青森山田・野球部員のお手柄 16日朝、青森市営球場のある合浦(がっぽ)公園駐車場で、刃物を持った男(73)が女性(66)に切りつける事件が発生。大会補助員として近くにいた佐藤が男に体当たりして取り押さえ、男は駆けつけた警察官に逮捕された。佐藤にけがはなく、女性も首や手にけがをしたが軽傷で済んだ。佐藤は「女性(の命)が助かって本当にうれしい」と話していた。佐藤の勇敢な行動に対し、青森署から18日に感謝状が贈呈される。

(2013年7月18日06時00分 スポーツ報知)

 ◆第95回高校野球選手権南北海道大会 ▽準々決勝 駒大苫小牧5―2札幌光星(17日・札幌円山) 3試合が行われた。春の道大会王者の駒大苫小牧は、好機を逃さず9安打で5得点。粘る札幌光星を振り切り2年ぶりの4強に進んだ。

 函館大有斗も4―0で函館中部を下し4強進出。北海道栄は昨年南大会準Vの札幌日大に4―2で勝利。18日にベスト4入りをかけて北照と対戦する。

(2013年7月17日21時21分 スポーツ報知)

 ◆第95回高校野球選手権 秋田大会 ▽3回戦 能代松陽1―2秋田商(17日・協和) 秋田大会はベスト8が決定し、秋田商が3回戦で昨年の決勝に続いて能代松陽(前能代商)を撃破。2年連続の甲子園出場へ大きく前進した。2回戦を行った宮城大会では、シード校の仙台三、仙台商が登場してともに完封勝ち。順当に3回戦に駒を進めた。

 秋田商は試合前、ド緊張していた。「ノックでポロポロ、送球もバラバラ。生徒も僕もガチガチ」。太田直監督(34)は正直に明かした。リベンジに燃える能代松陽の勢いを肌で感じて迎えた決戦。指揮官は「とにかく攻める。バットを中途半端ではなく、どの打席でも思い切り振る、です」と方針を伝えた。

 1―1の9回表。先頭の佐々木が四球で歩き、麻生の犠打と二塁けん制悪送球で1死三塁。「去年までならスクイズも考えました。今年は全くなし。(1番打者の)鈴木にもスクイズは絶対にしないからと」と太田監督。鈴木は右犠飛を放ち、決勝点を奪った。

 6月、恒例の4商(大館国際情報学院=前大館商、湯沢翔北=前湯沢商工、能代松陽=前能代商)交流戦で対戦し、2―11と大敗した。スタンドで見守った小野平前監督(64)は「あの時とは全く違うバットの振りに相手はビックリしたはず。全国で通用するには打ち勝つしかない。ロングティーや素振りを例年以上に増やしました」。変身した名門には“しぶとさ”も戻っていた。

 「初めは緊張しましたが、回が進むにつれて落ち着きました。4回に1点を奪われてもまだ同点。慌てませんでした」。3試合一人で投げ抜いた2年生エース・佐々木はドンと構える。これまでの秋商とはひと味違う底力であと3勝の頂点に立つ。

 【12年決勝・秋田商―能代商(現能代松陽)戦VTR】 秋田商は1―3の9回裏2死、5番・近藤直也(投手―右翼手)が中前打。続く和田光平中堅手も初球を右翼フェンス直撃の三塁打で2―3。7番・大友航生三塁手は遊ゴロも一塁悪送球で生き、同点に。8番・坂谷歩一塁手の初球、暴投で大友は二塁へ。3球目、坂谷の二塁手の股間を抜くヒットと中継が乱れる間に大谷がサヨナラの生還。この回、3球で2死、その後わずか8球で白星を手にした。

(2013年7月18日06時00分 スポーツ報知)

 ◆第95回高校野球選手山梨大会 ▽2回戦 山梨8─7甲府工(17日・小瀬) 2回戦3試合が行われ、山梨が2発12安打と猛打を振るい、8―7で昨夏の準優勝校・甲府工を撃破した。初回に古屋駿がバックスクリーンへ先頭弾。同点の8回には駒井詢(ともに3年)が左翼席へ決勝ソロ本塁打を放った。

 9回裏2死二塁。代打・穴山空良(そら)の打球が山梨の駒井三塁手のグラブに収まった瞬間、昨夏準V校・甲府工の初戦敗退が決まった。

 「自分のせいです」。エース右腕・高野翔が涙声を絞り出した。山梨の1番・古屋に先頭打者本塁打を浴び「気持ちが乱れてしまった」。制球が定まらず、エラーも犯すなどいきなり1回に打者一巡の攻撃を許して4失点。2回も同じ先頭の古屋に浴びた中前打から失点した。ボール先行の投球に苦しみ、2回2/3で5安打5失点。「きっと仲間がやってくれる」とマウンドを降り、ベンチで声を出し続けたが、願いは届かなかった。

 「交代のタイミングを含め、全て自分の責任です。選手はよくやったと思う」。石合不二夫監督(49)は一点を見つめて話した。91年にコーチに就任。2010年からは監督として指導してきた。コーチ時代を通しても「記憶にない」という夏の初戦敗退。今回ベンチ入りした9人の2年生を中心に「ゼロから再出発します」と誓った。夏8回、春5回の甲子園出場を誇る名門に立ち止まることは許されない。

(2013年7月18日06時00分 スポーツ報知)

 ◆第95回高校野球選手権石川大会 ▽2回戦 金沢西4x─3金沢学院東(17日・金沢市民) 2回戦8試合が行われ、金沢西が第4シードの金沢学院東に4—3でサヨナラ勝ちする番狂わせを起こした。3点差を追いつき、最後は9回2死二塁から途中出場の高井佑介(2年)が決勝打。優勝した一昨年秋以来5季ぶりの県大会勝利を飾った。

 サヨナラの打球が右中間を破ると、金沢西のベンチは空っぽになった。まずはホームベース、続いてヒーローの高井佑を中心に歓喜の輪が膨らむ。選手、そして井村茂雄監督(35)は「感動です。今までのどの1勝よりもうれしい」と男泣き。優勝した一昨年秋以来1年10か月ぶりの県大会勝利。味は格別だった。

 5回を終え0—3。それでも、金沢学院東に一昨年秋の決勝で0—5の7回から大逆転勝利した実績が支えとなった。当時の出場メンバーの坂川裕大主将(3年)は「3点差でも、まだまだ大丈夫と思ってました」とミラクルの再現を信じた。粘り強い反撃で7回までに追いつき、最後は代走と交代した主将の後を受けて4番に入った高井佑が9回、2死二塁から劇打を放った。

 公式戦初出場だった高井佑は「入学してから初めての勝利。気持ちいいです」と満面の笑み。投げては、同じ2年生のエース・泉圭輔が試合2日前の練習で打撃投手を務めていたところ、打球が右目に直撃するアクシデントに見舞われながら151球の3失点完投。「目に血がたまってると思うけど、気にならなかった。逆転を信じて投げてました」と胸を張った。

 故障者続出の不運もあり、昨春から今春にかけて4季連続初戦敗退中だった。それでも、選手一人ひとりの打撃の連続写真を作るなどして井村監督がチームを鼓舞。ナインも最高の形で報いた。「勝負はこれから」と涙をぬぐった指揮官に、坂川も「僕らは強くない。一戦一戦、覚悟を持ってやるだけ」と呼応。チームスローガンの「下克上」を引っさげ、初めての夏の頂点まで駆け上がる。

(2013年7月18日06時00分 スポーツ報知)