ニューヨークの王様 ジョコビッチ | Ever Tennis

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テニスジャーナリスト(ITWA国際テニスライター)
神 仁司(こう ひとし)のブログです。

 

USオープン男子シングルス決勝から、
1日が経ちました。

第1シードのジョコビッチと第2シードのフェデラーが、
二人の持ち味を出し切り、
3時間20分、最後まで素晴らしいクオリティのテニスを披露してくれました。

フェデラーは、
今大会話題のSABRで、
超攻撃的リターンダッシュを、バックでもフォアでもやって、
奇襲をかけました。
新しいということを強調されがちですけど、
フェデラーは、プロ駆け出しの頃は、
元来サーブ&ボレーヤーといってもいいようなプレースタイルでしたから、
いわば原点回帰なんですよね。
ロジャーの小気味いいアタックテニスは、
USオープンのハードコートとマッチして、躍動してましたね。
そして、美しかった。

ジョコビッチは、
フェデラーの驚異的な攻撃を、人間離れしたディフェンスでしのぎ、
そして、攻撃に転じました。
彼のストロークとパッシングショットは、徐々にロジャーを追い詰めていきました。
さらに、精神的に全く揺らがないのが、今のジョコビッチの強さです。
ニューヨークで、あらためて彼の王者たる所以を見せつけられました。

個人的には、
フェデラーの、08年以来のUSオープン優勝が見たかったですが、
今は、ジョコビッチの方が、力が優っていますね。
これは、時代の流れからしても仕方がないことです。

ジョコビッチは、
USオープン4年ぶり2度目の優勝。
今季は、11年以来、2度目のグランドスラム3冠。
グランドスラム決勝には、4大会すべて進出しました。
ローランギャロスで、もし勝っていたら、年間グランドスラムでしたね。
そして、
グランドスラムタイトルは10個となりました。

フェデラーの17個、ナダルの14個、ジョコの10個、
3人がトップにいるこの時代、あらためてすごいですよね。

その世界王座を独走するジョコビッチ。
15年シーズンは、完全にジョコビッチ時代になりました。



一夜明けて、
ニューヨークの月曜日は、快晴でした。
空気がカラッとして、風が涼しく、秋の訪れを感じさせるものでした。

そんな中、
ジョコビッチの優勝フォトセッションが、
セントラルパークで行われました。

ニューヨークの王様には、
ティファニーのシルバートロフィーが、本当によく似合います。

そういえば、
今回のフォトセッションで驚いたことが。

今まで、時間どおりに来た選手って、いなかったんですよ。
30分遅れは、当たり前で、
ナダルなんか、1時間遅れてくることもありました。

しかし、
ジョコビッチは、
午前10時、オンタイムにセントラルパークに現れました。
こちらの準備はできていましたけど、
正直、びっくりしましたね。

一夜明けて、ジョコビッチは終始穏やかな表情で、
すごくいい雰囲気で、フォトセッションが行われました。

やっぱり時間どおりというのは、気持ちいいものです。

写真は、
フォトセッション終了後、
たまたまその場にいた子供と、
写真を撮ってあげるジョコビッチです。
ラッキーですよね~。
ジョコビッチも優しい。
子供にとっては、本当にいい記念になったでしょうね。


そうそう、
今回の男子決勝、
ついに、日曜日に終わりました。
日曜に終わったのは、
なんと2007年以来、
8年ぶりだったんです。
8年、ですよ、8年!!

実は今回もヒヤリとさせられました。
男子決勝試合開始16時の直前から、にわか雨が降ったんです。
結局、試合は、19時19分に始まり、
ナイトセッション状態に。
とにかく無事に、男子決勝が本当に終わってよかったです。


2016年からは、
アーサー・アッシュスタジアムに、
開閉式屋根が付きますので、
もう月曜決勝になることはないでしょう。


最後に、
ノバク、
USオープン優勝、本当におめでとう!!