保育園で保育士による園児虐待の事案が表面化した。
保護者説明会での園長の説明によると以下のような行為が保育士によってなされた。
「A、常勤保育士、クラス責任者。B、非常勤保育士。C、派遣保育士。泣いている園児の写真を撮って笑ったA・B保育士。登園が遅い児童に『なぜ遅い?』と怒鳴ったB保育士。午睡(昼寝)中の園児に対し、『ご臨終です』と言ったA保育士。園児を探す機会に容姿を誹謗するような言葉を言ったA・B保育士。園児の足をつかみ、宙づりにしたB保育士。タオルで園児の頭を叩いたC保育士。給食を食べない園児に対し、頬をつねる行為をしたA・B保育士。倉庫や排泄室に園児を入れたA・B保育士」
音声独自入手】保育士1歳児虐待問題、保育士は直接の謝罪なし 説明会で保護者の怒り爆発 市は刑事告発検討 静岡・裾野市(静岡朝日テレビ) - Yahoo!ニュース
ここで、これは酷いと思った言動。
【午睡(昼寝)中の園児に対し、『ご臨終です』と言った】
【園児の足をつかみ、宙づりにした】
【倉庫や排泄室に園児を入れた】
これらが一歳児の幼児に対して行われたと言う。ちょっと度が過ぎていると思うが、このぐらいのことはどこかの家庭でも起きていることかも知れない。
要は、言うことを聞かない、思い通りにならない幼子に対して力尽くでも言うことを聞かせようとか、イライラした気持ちの腹いせに感情をぶつける行為として、ありうることだと思う。
ただ、それでは子供は人間として望ましい大人には育たないと思う。
子供の心に寄り添う保育、それが必要だと思うが、保育士とはそれができる専門職だと思っている。保育に関する専門教育を受け、国家試験にも合格しているからだ。
多分、学校で学んだ、保育の知識を実践する力よりも、育ってきた生育環境が形作ってきた性格が、強かったのではないかと思う。
民法に懲戒権というのがあると言う。日本の家庭では、子供に懲らしめを行って教育することは法律で認められてきたのだそうだ。やんちゃな子供が倉に閉じ込められて懲らしめられたという話はよく聞いた話だ。
日本には、言うことを聞かない子供は、懲らしめて教育するという風土が醸成されてきた。その原因の根底に前の民法があった。
解説にはこう書いてある。
【親権者は子の非行に対する教育のために、子の身体・精神に苦痛を加えるような行為(叱責、子のものを取り上げる・毀損する、外出や外部との連絡の禁止するなど)をとることができる。もっとも、懲戒は子の利益(第820条)のため、ひいては教育の目的を達成するためのものであるから、その目的のために必要な範囲内でのみ認められる。】
しつけと称して虐待が行われる所以である。
最近、この懲戒権をなくそうという動きがあるという。
民法、子への「懲戒権」削除へ 体罰禁止を明記、改正要綱案(共同通信) - Yahoo!ニュース
懲戒権をなくすことも重要だが、それにも増して、子供の心に寄り添う保育の確立こそ重要だと思う。懲戒されて育った子は、懲戒という技を学習していることになる。それは長じて、自分の子供はもとより、大人、同僚、部下に対して思いのままにならなければ、懲戒するようになる。その典型がウクライナ戦争だ。武力による強引な人の制圧。独裁者の幼い頃を尋ねれば、きっと理不尽な生育環境だったことが判明するだろう。
子供はまず、言うことを聞かないものだ。それを力で治めようとするのは簡単だが、それはしてはならないと自分を戒めて、どうすれば心に寄り添いながら正しく育てるかを養育するものは心がけるべきだ。特に国家試験を受け合格した人は、それができるはずなのだから、実践してもらいたいものだ。
前の問題を起こした保育園のHPには、次のような記述がある。
【明日を担う子供たちを、伸び伸びと恵まれた環境の中で、育成することを目標としています。
- 心豊かでたくましい子供
- 自分の思っていることをはっきり言える子供
- みんなの中でも自分を力一杯表現できる子供
- 思いやりのある子供
- 友達とよく遊べる子供】