中東へ行く時の服装は・・・  | 人差し指のブログ

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本を読んで面白かったところを紹介します

『 人間の目利き アラブから学ぶ 「人生の読み手」 になる方法 』

曽野綾子 ( その・あやこ 1931~ )

吉村作治 ( よしむら・さくじ 1943~ )

株式会社講談社 2014年12月発行・より

 

 

 

 

 

曽野 シリアの首都ダマスカスへ行ったときに驚嘆したのは、気温が52度

    くらいあるなかで、おばさんたちが オーバーコー ト を着ているの。

 

    はじめは目を疑いました。

    でもあれは暑いから着てるわけなんですね。

 

 

吉村 外の暑さを遮断するためです。

    しずしずと動く分には体温以上にはならないから、涼しいんですよ。

 

    着物と体の間をあけておけば、空気がまた クッション になる。

 

 

    日本人が夏に旅行して、エジプト人でもシリア人でもコートを羽織っ

    ているのを見て、

    「バカだなあ、この暑いのにあんなものを着て。あいつらきっと貧乏

    なんだ」  って言うけれど、そうじゃないんですよ。

 

 

曽野 われわれから見ると、ほんとに異様な光景だった。

 

    ダマスカスのおばさんたちが着ていたのは、黒い厚手の フェルト

    みたいに見える コートですよ。

 

 

吉村 暑いときは白いものを着ろ、とよく言いますが、実際は黒のほうが

    いいんです。

 

    外の温度を黒が吸収してくれるから。

    黒いフェルトのコートは見てるほうは暑いけど、本人たちは涼しい。

 

 

    薄着して肌を出しているのは、北欧の”いかれぽんち”が多い(笑)。

 

    北欧の人はエジプトに来て日焼けして、皮がべろべろにむけちゃっ

    て、治すのに1年近く かかってる。

 

    暑ければ暑いほど長いのを着なきゃ いけないんですよ。

 

 

曽野 不思議なのは、テレビのディスカバリーチャンネルとか雑誌の 

    『ナショナルジオグラフィック』 とかに出てくる探検家って、みんな肌

    を露出しているの。

 

 

吉村 半袖のシャツに 半ズボンでしょ。

    俗に サファリルック と言われて いるものです。

 

    僕もテレビや雑誌の取材のときにそういう恰好をしてくださいってよく

    言われるんだけど、そのたびに説明してくるの。

 

    「実際にアフリカで探検するときは、長ズボンに長袖ですよ」 と。

 

    そうすると、視聴者が納得しないんだって (笑)。

 

 

 

 

 

 

                               9月9日の ならまち