家康は冬の江戸城でも裸足だった   | 人差し指のブログ

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「 歴史を探る・人生を探る 」

池波正太郎 (いけなみ しょうたろう 1923~1990 )

株式会社河出書房新社 2006年6月発行・より

 

 

 

~  豊臣秀吉    聞き手 = 三國一郎  ~

 

 

 

 

 

池波 家康なんか、将軍になってからも江戸城で冬、大名が伺候しておじ

         ぎをしてますと、そこの前を通るでしょう、見ると足なんかむろん

         素足ですよ。

 

 

    アカギレだらけで血が吹き出てたといいますね、真冬でも。

 

 

    足袋(たび)なんかはくにしても、つぎはぎだらけです。

 

 

    着物でもつぎはぎだらけで びっくりしたということを前田の殿さまの

    前田利常が・・・・・。

 

 

三國 それを見てしまった・・・・・。

 

 

池波 少年時代に江戸城へ上がって、こういう大御所のああいう足を見た

    ということを書いてますよ。

 

三國 しかし、家康という人も徹底した人ですね。

 

 

池波 質素な人ですね。

 

 

三國 どうですか、秀吉があんまり派手にやったのを見てそうなったという

    こともありますか。

 

 

池波 やっぱり そうじゃないでしょう。

 

 

三國 性格ですか、生来の。

 

 

池波 性格ということは、そういうふうに倹約していろんなものをためて

    おかないと・・・・おやじの頃からずいぶんそういう目に遭ってますか

    らね。

 

 

三國 なるほど。 家康も苦労人ですからね。

 

 

池波 でも、家康もなかなかケチなようでいて、お客なんかするときは

    大へんだったらしいですよ。

    お料理は。

 

 

三國 デラックスですか。

 

 

池波 ええ、デラックスだった。

    料理人がお腕をつくって持ってきたら、味をみて、これはダメだ、と。

 

 

    お腕なんてものは味を三〇種類ぐらいつくっていいんだ、ムダなも

    のは捨ててもいいんだ。お客がきたときはそういうふうにしてもてな

    すものだ、といってますよ。

 

 

三國 大へんなグルメですね (笑)。   そういう面もあるんですか。

 

 

池波 あるんです。

    そのかわり自分は、ふだんは味噌か何かで食べてるんですけどね。

 

               豊臣秀吉 ( 『歴史と人間・1』 NHK、 78,6 )

 

 

                                                      

 

 

 

2016年11月19日に 「家康が奪った大阪城の莫大な黄金」 と題して大石慎三郎の文章を紹介しました。コチラです。 ↓

https://ameblo.jp/hitosasiyubidesu/entry-12220336229.html?frm=theme

 

 

 

2018年10月5日に 「成功者の人生は・・・・」 と題して堺屋太一の文章を紹介しました。コチラです。  ↓

https://ameblo.jp/hitosasiyubidesu/entry-12405802351.html?frm=theme

 

 

 

                  奈良・東大寺俊乗堂 10月9日撮影