源氏物語と藤原氏   | 人差し指のブログ

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「 日本史再検討 3 」

井沢元彦 (いざわ・もとひこ 1954~)

株式会社 世界文化社 1999年2月発行・より

 

 

~日本人のルーツはどこにあるのか・梅原猛(うめはらたけし1925~2019)~

 

 

 

 

梅原 まあ、井沢さんは私の説の最大の支持者でして、どうもありがとうご

    ざいます。

 

 

井沢 私は梅原日本学の自称後継者ですから (笑)。

 

 

梅原 私と多少違う説もありますが、しかし、そういう大胆な説を認めて、

    それを改めて検討するというのは大変いいことですし、また井沢さん

    独特の説もたくさんありますからね。

 

 

井沢 独特の説ではあるんですが、梅原さんの説を応用したので最近

    すごく自信があるのは、源氏物語なんです。

 

 

    源氏物語というのは、よく考えてみるとなぜ源氏が主人公なんでしょ

    うか。

 

 

    いじめられている側は、名前は書いてありませんが明らかに藤原

     (ふじわら)氏ですよね。

 

 

    それを逆に藤原氏がなぜ応援するのかということを、これまで源氏

    物語の研究者が誰も問題にしていなかったんです。

 

 

    ところが梅原理論で考えると、現実の世界では藤原氏が源氏を

    圧倒して勝っているわけです。

 

 

    いわゆる賜姓(しせい)源氏ですね。

 

 

    源融(とおる)とか、ああいう連中をやっつけている。

 

 

    そうすると、物語の中でくらいは勝たせてやらないと、バランスが取

    れないという発想が私には出てきたんです。

 

 

    しかしそれはどこから出てきたかというと、やはり怨霊学説ですね。

 

 

梅原 まだまだそういう意味では源氏物語には謎がありますよ。

 

 

    紫式部は藤原道長(みちなが)の恋人だという説もありますから、

    ほとんど藤原氏とは一体という政治的な地位にありながら、

    なぜ藤原氏にやっつけられた源氏を主人公にしたか。

 

 

    それは大きな問題だと思います。

 

 

                                      

 

 

2019年11月20日に 『 「源氏物語」 が嫌いな人たち 』 と題して

久保田淳と秋山虔の対談を紹介しました。コチラです。 ↓

https://ameblo.jp/hitosasiyubidesu/entry-12520303729.html

 

 

 

 

                       1月2日 奈良公園にて撮影