上海に進出したアムウェイは・・・ | 人差し指のブログ

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「 進化できない中国人 」

金文学 (きん・ぶんがく 1962~)

祥伝社 平成26年3月発行・より

 

 

 

 世界は、中国人特有の国民性、ずる賢い陰湿な劣根性にはきわめて無防備であり、不慣れである。

 

 

鞠佳(きくか)という上海の知識人の文章(2009年)によると、数年前上海に進出したアメリカのアムウェイは、中国の市場の大きさに、大いに期待した。

 

 

上海に入ったばかりのこの企業は、欧米で通用した自社のシステムをそのまま上海で適用しようと事業を展開した。

 

 

 そこで 「理由不明の製品全額返金」 を実施した。

 

 

理由にかかわらず、顧客が製品を使用してみて不満足だったら、一本のボディシャンプーでも、中身が一滴も残ってなくても、その容器さえあれば、それをもって全額払い戻すことができる。

 

 

 このシステムは欧米では、定評のある信用ブランドのシンボルであった。

 

しかも欧米では返品はわずかであった。

 

 

 しかし、中国では違っていた。

 

中国人たちは、あっという間にアメリカ人を慄然(りつぜん)とさせた。

 

 

多くの中国人たちは買ったばかりのアムウェイ製品を、別の容器に半分以上入れ換え、それを自分で使用した。

 

 

そして中味が半分あるいは空になった容器を持って行って全額支払いを要求したのだ。

 

 

 上海で開業したばかりのアムウェイ社の前には、毎日朝一番から全額払い戻しを求める長い列が跡を絶たなかった。

 

 

 アムウェイの社員たちは、その真相が分からなかった。

 

 

半世紀も持続してきたアムウェイ企業帝国のシステムが、西洋では有効だったが、なぜ中国ではこんなにも巨額な返金に遭遇しなければならないのか?

 

 

 ある日など、払い戻し額が100万元(約1700万円)に上がったこともあった。

 

 

アメリカのアムウェイ帝国は上海で惨敗を喫した。

そこで、中国ではシステムを変更したという。

 

 

アムウェイ帝国は、ずる賢い上海市民たちに振り回された。

 

上海市民たちは自分たちの小知恵に騙(だま)されたアメリカ人をあざ笑ったそうだ。

 

「ほら、このバカなアメリカ野郎め!」

 

 

 

 

                    12月21日 朝霞市内(埼玉)にて撮影