暗号解読の簡単な方法 | 人差し指のブログ

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「 深田祐介の憂国十番勝負 」

深田祐介 (ふかだ ゆうすけ 1931~)

PHP研究所 2005年7月発行・より

 

 

阿川弘之   「海軍良識派」 の教訓を忘れて反米の道を歩むなかれ

                         「VOICE」 平成16年5月号掲載

 

 

 

<阿川>    (略)  実はね、暗号を解読するには盗むのがいちばん

          手っ取り早いんです。

 

これは公にしないだけで、各国もやっていることです。

 

 

戦前の日本の情報関係者も神戸のアメリカ総領事館に忍び込んだりしていますし、向こうはもっとやっているでしょう。

 

 

ワシントンの日本大使館と東京のあいだで交わしていた 「九七式欧文印字機」 と呼ばれる改良型暗号機 (海軍のは九七式'和文'印字機) も盗まれていたようです。

 

 

 

敗戦後、田辺さんという暗号技師がアメリカの暗号担当者に会ったとき、

どうやってあれを解いたのか、本当のことを話してくれと言ったら、

相手が黙って指先を こう曲げる仕草をしたと聞いています。

 

 

それに関連するエピソードがあって、ある晩、東京目黒の海軍技術研究所構内で、番犬のドイツシェパードがやたらに吠えたそうです。

 

 

守衛が不思議に思って連れて歩くと、暗号機の研究室の前へ引っぱって行った。

 

 

しかし鍵が掛かっているし、人が入った形跡がないから 「異常ありませんでした」 と報告して済ませたんです。

 

 

このことを田辺技師が覚えていて、やはりあの晩、盗みに入られたのかと思ったそうですよ。

 

日本のエンジニアのなかにスパイがいたら、ありうることです。

 

 

 

 

 

光が丘公園(東京・練馬)にて 3月31日撮影