『語られなかった皇族たちの真実~若き末裔が初めて初めて明かす「皇室が2000年続いた理由」~』
竹田恒泰 (たけだ つねやす 昭和50年~)
株式会社 小学館 2006年1月発行・より
東久邇宮はフランス留学中、印象画家のクロード・モネや第一次世界大戦でフランスを勝利に導いた政治家として知られるジョルジュ・クレマンソーらと親交を深める。
また、自ら筆を取って絵画をたしなみ、政治や戦争談義にも花を咲かせたという。
東久邇宮はこの時期、既にパリでアメリカが日本に戦争を仕掛けるという話を何度も耳にした。
当時日本では軍の上層部ですら対米戦などは夢にも思っていなかったため、宮は驚き、クレマンソーにその真相を聞いた。
するとクレマンソーは次ぎのように話た。
「アメリカが太平洋へ発展するためには、日本はじゃまなんだ。<中略>アメリカはまず外交で、日本を苦しめてゆくだろう。
日本は外交がへただから、アメリカにギュウギュウいわされるにちがいない。その上日本人は短気だから、きっとけんかを買うだろう。
つまり、日本のほうから戦争をしかけるように外交を持ってゆく。
そこで日本が短気を起こして戦争に訴えたら、日本は必ず負ける。
アメリカの兵隊は強い。軍需品の生産は日本と比較にならないほど大きいのだから、戦争をしたら日本が負けるのは当り前だ。
それだからどんなことがあっても、日本はがまんして戦争してはいけない」(東久邇宮稔彦『やんちゃ孤独』)
東久邇宮の脳裏には、クレマンソーのこの言葉がこびりついていた。
帰国後に色々なところでこの話をしたが、「日本と米国が戦争することはありえない」 と、誰も相手にしなかった。
いつの時代にも、数年先を見通す人物は評価されるも、10年以上先を見通す人物は変人扱いされるものである。
クレマンソーの話は全く現実のものとなる。
2016年7月21日に「日本を締めあげたアメリカ」と題して司馬遼太郎の文章を紹介しました。コチラです。↓