米国にやられた英国 | 人差し指のブログ

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本を読んで面白かったところを紹介します

 

 

 

 

「世界は邪悪に満ちている だが、日本は・・・。」

日下公人(くさか きみんど)・高山正之(たかやま まさゆき)

ワック株式会社 2015年12月発行・より

 

 

 

<日下>    だけど、イギリスは日本じゃなくてアメリカにやられたんだと思いますよ。

 

 

 

第一次世界大戦のときに、イギリスはドイツに勝つためにアメリカから借金をしていた。 

 

 

 

戦争が終わったときにアメリカは 「金を返せ」 と迫った。

 

 

 

イギリスはびっくりして 「ドイツは共通の敵だ」 と言ったら、

「金は別です」 と言われた(笑)

 

それでイギリスは身ぐるみ剥(は)がされた。

 

 

 

第二次世界大戦でイギリスは同じことをやられたわけで、

それに気がつかないイギリスは愚(おろ)かですよ。

 

 

 

イギリスは日本に負けたんじゃなくて、アメリカに負けたんです。

 

 

 

<高山>    日英同盟をアメリカは必死になって潰しにかかったでしょ。

 

 

 

日本の近代史ではワシントン軍縮条約のことは、

軍縮条約としてのみ捉えていて日英同盟破棄についてはあまり語られない。

 

 

 

でも、そこが一番大きな転換点じゃなかったかなと思いますよ。

 

 

 

<日下>    アメリカがナンバーワンになるためにやったことですよね。

 

 

 

<高山>   軍縮条約で米英日の艦艇保有比率は五対五対三で決着したけど、

ものの本によると、アメリカが最初に提案したのは八対五対三だったらしい。

 

 

 

 

イギリスが五で日本が三なら、日英同盟を足すと両国で八になるんだから、アメリカは八でないとイーブンにならない。

 

 

 

でも、アメリカが八で日本が三にされたら、

日本は目も当てられない。

 

 

 

イギリスとしてもアメリカが八では困る。

だから、アメリカに屈する格好で日英同盟を更新せずに、

五対五対三になった。

 

 

 

<日下>    だから、負けたのはイギリスと日本なんだ。

 

 

 

<高山>    最近の近代史の読み方として、

イギリスが一番のワルだというようなことを書いている人がいるけど、

アメリカをしのぐワルは絶対にいないと思いますけどね(笑)。

 

 

 

 

昨年12月23日 中央公園(埼玉・朝霞)にて撮影