アメリカの菓子の袋 | 人差し指のブログ

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パソコンが苦手な年金生活者です
本を読んで面白かったところを紹介します

 

 

「NYビジネスマンは みんな日本人のマネをしている」

マックス桐島(まっくす・きりしま1956~)

株式会社 講談社 2010年9月発行・より

 

 

 

ところでアメリカのポテトチップスといえば、いつもやっかいに思うのが、袋を開けるのが難しいこと。

 

 

 

アメリカで生活したことのある方なら経験があると思うが、プラスチック袋が頑丈に密閉されていて、たとえば鋏(はさみ)かナイフで切り口を作らない限り、中身にありつけないのだ。

 

 

だから後日、トニーが経営するスーパーの従業員に、袋の上部に切り込みが入れられた日本のスナック菓子を見せたときの反響は凄(すさ)まじかった。

 

 

やはり、アメリカ人も袋開けには人知れず苦労していたらしいのだ。

 

 

それは、不便をビジネスチャンスと判断する日本人と、我慢するアメリカ人のイノベーション意識の差が垣間見えた瞬間でもあった。

 

 

日本製のポテトチップスの袋に小さな切り口があることなど考えもしない従業員は、いつものように両手で力任せに袋を破こうとする。

 

 

それを制止した僕が切り込みを裂いて袋をいとも簡単にオープンする光景は、彼らの目には手品のように映ったらしい。

 

 

そして、誰もが我先にと切り込みを観察するのだ。

 

 

「これがカスタマー・フレンドリー(消費者のことを考えた技術)の極みだ!」 と目を丸くするストア・マネージャー。

 

 

「それに比べて、アメリカはプロダクト・フレンドリー(製品を作る側に都合のいい技術)だから、菓子も頑丈(がんじょう)に作ることが先決って感じね」

 

 

正直な女性従業員の意見に全員がうなずく。

 

 

 

11月20日 光が丘公園(東京・練馬)にて撮影