「これからの日本を読み解く 日本の将来はじつに明るい」
日下公人・上念司
ワック株式会社 2015年3月発行・より
<日下> 面白いのは、旧軽の人が 「こんなところでは、生きていられない」 と言う。
<上念> どうしてですか。
<日下> これは軽井沢まちづくり条例が悪いと思っているのだけれど、旧軽は木を切ってはいけない。
緑を保存せよという。それは終戦直後から始まった。
当時の軽井沢を知っているけれど、木なんか、ろくになかった。
<上念> まったくおっしゃるとおり。住民は木を切って薪にして燃料に使ってたんですね。
<日下> 緑が大切なものだというのは、北欧の話です。
スウェーデンとかノルウェーで勉強してきて帰ってきた人間が 「緑を保存せよ」 と言った。それを朝日新聞が取り次いだ。
<上念> ああ、また朝日か。
<日下> それで軽井沢の住人が 「緑を保存しよう。木を切らないことにしよう」 となった。
それから五十年、六十年経ったから大木になっている。鬱蒼(うっそう)と大木が茂り、家の中が湿気でしょうがない。
それで 「こんなところでは、生きていられない」 と言うわけです。
<上念> 木が生えると下は薄暗くなって、日陰でしか生えない草ばかりになるから。生物多様性にも実はマイナスです。
上の六行目から文字の大小がうまくいってません、どうやっても治らないです
新座緑道(埼玉・新座市)にて昨年11月15日撮影、道の向こう側は大泉学園町(東京・練馬)