うちには冷蔵庫が二つあって、一つは戸外に置いてある。
なぜ戸外にあるかというと、戸外だと電気をくわないからだ。
室内にあると、冷蔵庫があるだけで、夏なんか部屋が暑くなる、
つまり、冷蔵庫を冷やすために熱を外に出すわけだから、それでクーラーを余計回す。
だから、冷蔵庫は外に置いたほうがいい。
外の日の当らないところ、北向きのところに冷蔵庫を一つ置いておく。
雨ざらしではなくて、外に向いた形で。
戸外に出ないと、戸が開けられない冷蔵庫である。
その場合、冬の間はこの冷蔵庫はほとんどモーターが廻ることがない。
夏でも、気温が三十度を越す時間というのは一日のうちでもそうはないから、冷蔵庫の負担が軽くなる。
冷蔵庫というのは側に行くと熱い空気を出している。
(略)
外に置くのは配偶者の発案である。
そのうちに、クーラーと同じように冷蔵庫もセパレート式になるのではないかなと思うのだが。
「 大老年 老いて発見する男の生きがい」
三浦朱門(みうら しゅもん 大正15年~)
株式会社海竜社 平成7年7月発行・より
サルスベリの花 7月11日中央公園(埼玉・朝霞)にて撮影