「戦争は石油が原因」昭和天皇 | 人差し指のブログ

人差し指のブログ

パソコンが苦手な年金生活者です
本を読んで面白かったところを紹介します





「日本人への遺言」
渡部昇一・日下公人
株式会社李白社 2016年2月発行・より




<渡部>   戦争が石炭から石油の時代へと移ったのに、日本はその石油にたいする配慮が十分ではなかったと私は見ています。

そのため、第一次世界大戦を見に出かけた日本の観戦武官は愕然(がくぜん)とせざるをえなかったといわれています。

なんとなれば、日本では石油がまったく産出されないからです。

ということは...........日本は永久に戦争のできない国になってしまった。

仮に外国から石油を買ったとしても、燃料を依存しているようでは戦争に勝てるはずもない。


そのため、日露戦争における日本海海戦の英雄・秋山真之(あきやまさねゆき)(連合艦隊の作戦参謀)は、晩年、頭がおかしくなってしまったといわれています。

 果たして昭和十六年、アメリカに「石油禁輸政策」をとられると絶体絶命のピンチに追い込まれました。

日本はスマトラ島のパレンバンの占領に打って出て、石油を取りに行かなければならなかったわけです。

そしてご存じのとおり、日本はその戦争に敗れてしまいます。

 昭和天皇も日本が戦争に突入した近因は石油が原因だたおっしゃられました。

<日下>   はい。『昭和天皇独白録』(文藝春秋)には次のようにあります。


日本が多年練成を積んだ陸海軍の精鋭を持ち乍ら愈々と云ふ時に蹶起を許さぬとしたらば、時のたつにつれて、段々石油は無くなって、艦隊は動けなくなる。

人造石油を作つて之に補給しよーとすれば、日本の産業を殆ど、全部その犠牲とせねばならぬ、それでは国は亡びる.............



このお言葉どおりです。


光が丘 四季の香公園の薔薇(東京・練馬)5月9日撮影