近衛家の家格とその周辺 | 人差し指のブログ

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丸谷才一が鳥居民著『昭和二十年』を紹介しています。

「おっとりと論じよう 丸谷才一対談集」
丸谷才一(まるや さいいち1925~2012)
株式会社文芸春秋 2005年11月発行・より


例を挙げますと、たとえば昭和十三年に発表された近衛声明はなぜああいうことになったのかという内幕話。

右翼が近衛の私行・・・というのは女性関係でしょうね、これを調べ上げて脅迫し、蒋介石との和平工作をやめさせた、という話が書いてある。

あるいは、昭和十五年七月三日、英国の軍艦と航空部隊がアルジェリアのメール・エルケビール港に停泊しているフランス艦隊を襲い、二隻の戦艦、二隻の巡洋艦その他を沈めて、これが真珠湾攻撃の先蹤(せんしょう)をなした、という話もあります。

それから、近衛家の家格は宮家よりも高くて、街で双方が出会えば、道の端に寄るのは有栖川、伏見といった宮家のほうであった、なんていうびっくりする話が書いてある。

また、阪急電鉄の小林一三は近衛文麿に近づきたいために、永田町に新築した近衛の家の隣に小さな家を建て、裏木戸から近衛家に出入りするようになった、という噂も書かれている。

新座緑道(埼玉・新座市)の紅葉 1月2日撮影

新座緑道の楓