この破天荒な個性の思想と行動を佐藤誠三郎が「笹川良一研究」(中央公論社)に明確な考証を以て描きだしている
戦前戦中の笹川はいかなる容疑をも受けない出処進退を持していたから、A級戦犯に該当する筈がなかった。
その確信があった笹川は、逮捕されるため二十数回もの演説会を開き、A級戦犯として逮捕されるのを志願すると公言し、意識的に占領当局を挑発した
想像しがたい程の壮気である。
笹川の演説はこういう調子であった。いわく、続々と逮捕されてゆく大臣、大将、みな立派な人たちながら、裁判の経験がない。このまま捨てておくと侵略者にされてしまう
私は先に獄中生活三年と四年四度の裁判で無罪を勝ちとった経験がある。
そこで、私が戦犯になって入獄し、被告の指導にあたり、思想統一をはかる必要があるのだ、と。
その意図は決して空元気ではなかった。ともすれば前途を悲観し沈みがちになる他の容疑者たちを、機会あるごとに励ますのを自分の仕事にしていたのである
また笹川はトルーマン大統領やマッカーサー総司令官に、東京裁判をより公平にせよという趣旨の、つまり進行している東京裁判を批判する内容の書面をくりかえし送った
その行動のすべてはいささかでも我が身をかばう気持ちがあったらできない桁外れであろう
不起訴で釈放された笹川がまず着手したのは、巣鴨にまだ収容されている人々に対する、必要な物資を豊富に差し入れる措置であり
それから地方に住む留守家族に面会のための旅費だけでなく生活まで補助した。
この豪傑の真面目を発掘した佐藤誠三郎の労を讃えたい
「この国の不条理」谷沢永一(たにざわ えいいち1929~2011)
PHP研究所二〇〇七年発行・より
佐藤誠三郎のこの本の中に書かれていたものでしょうか?記憶は不確かですが面白いエピソードを紹介します
アメリカのカーター元大統領が笹川に「あなたの家を訪問したい」というと彼は「粗末な家なのでお断りしたい」と答えたが「それでも是非」ということで、実際訪問して、彼の家が本当に粗末な家なので、とても驚いたそうです
楓の紅葉・青葉台公園(埼玉・朝霞市)12月4日撮影
![楓の紅葉 朝霞市青葉台公園](https://stat.ameba.jp/user_images/20151207/14/hitosasiyubidesu/39/01/j/o0567042613505043242.jpg?caw=800)
![楓の紅葉](https://stat.ameba.jp/user_images/20151207/14/hitosasiyubidesu/fb/91/j/o0567042613505043244.jpg?caw=800)
![楓の紅葉](https://stat.ameba.jp/user_images/20151207/14/hitosasiyubidesu/6e/b6/j/o0567042613505043243.jpg?caw=800)