アメリカの家族と仕事ー渡部昇一 | 人差し指のブログ

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「人生の出発点は低いほどいい」渡部昇一(昭和5年~)
PHP研究所2007年8月発行・より

アメリカ大リーグの選手のなかには 家族第一主義で
「家族のために野球をやめる」と
引退発表する人がいました

しかし これを家族愛と勘違いしてはならないでしょう
一つに やはりアメリカの家族生活の不安定があります

日本なら 女のほうにも 男の仕事だからというので
我慢をする伝統がまだ少しは残っています
その我慢がなくなったらどうなるのか


アメリカ社会は 男が「仕事どころではない」と
いわざるをえないところまで
どんどん質が下がっているのだと思います

アメリカ社会の質が下がっているというのは
私だけの意見ではありません アメリカ人が書いた
論文のなかにも 次のような記述があります

「アメリカの政治の質がどんどん落ちている なぜなら
議員の奥さんも仕事を持っているからだ

昔はワシントンに議員がみな集まって
毎晩のように呼びつ呼ばれつで飲んだり食ったりし
公にはできないような濃密な情報交換があった

ところが いまはそれこそワシントンには二、三日滞在
しただけで 週末には奥さんの側にいないと離婚される
からだ

おかげで 情報が万事において 形式的になり
質が落ちてきたのだ」

光が丘公園(東京・練馬区)11月11日撮影