「日本の正論」平川祐弘(祐は旧字体 ひらかわ すけひろ
1931年~)河出書房新社2014年8月発行・より
文化大革命中 中国人は「毛主席語録」を斉唱した
その中国から帰国したばかりの作家 高橋和巳と
河出文化賞で同席した
私が「新中国は肉体の纏足(てんそく)は解(と)いたが
語録で人間を縛るのは精神の纏足ですね」といったら
実地体験の興奮さめやらぬ新進作家は「紅衛兵はひどい」
と しきりに言った
だが直後 高橋は新聞に中国見聞記を寄せ
何と文革を礼賛 私を唖然(あぜん)とさせた
もっとも 時流にあわせて北京詣でや
中国礼賛で名をなした人は高橋にかぎらない
大新聞の論調にあわせる左翼の世渡り上手が 中国や
日本の一部では[良心的」といわれ「友好分子」と
呼ばれる
青葉台公園(埼玉・朝霞市)11月12日撮影
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